クルマ好きならその名は知っているであろうアルピナ。ちょっと見には「BMWのチューニングカーでしょ?」などと言われるが、アルピナファンに言わせると「アルピナはアルピナであってBMWとは別物」ということらしい。個人的にはBMWよりカッコイイというイメージがある。

そのアルピナがディーゼルエンジン仕様を日本に持ってきた。これはビックリである。

http://www.alpina.co.jp/models/d3-biturbo-limousine

日本では一時のディーゼル悪者論という無知と勘違いに基づく言いがかりに近い迫害があって、乗用車のディーゼルはほぼ駆逐されてしまった。今では「クリーンディーゼル」の啓蒙もあって一頃ほどではなくなったが、その間にハイブリッドの急成長もあって、エコや省燃費という側面では出遅れてしまった感が強い。国産では唯一、日産のエクストレイルがあるのみ。正規輸入車でもメルセデスベンツだけである。

BMWジャパンでさえいまだ輸入再開は実現していないディーゼルを、一足先にアルピナが実現したわけである。台数限定とはいえ、これで日本でのディーゼル車の評判はいかなものかと様子を見ようと言うことなのかも知れない。これには各輸入車ディーラーも注目なのではないだろうか。

800万円を超えるプライスタグはおいそれと出せるものではないが、個人的には乗ってみたいクルマではある。

だが、正直、日本のモータリゼーションにディーゼル車がはまるかどうかは不透明だ。クルマは走ってナンボというヨーロッパに対し、日本は「走らなければ安全」というワケノワカラン意見の支配力が強い。熱効率、CO2排出量、低燃費という点でハイブリッドにひけを取らないディーゼルではあるが、ストップ&ゴーが多く、「走りは悪」と言わんばかりの道路交通行政の国柄では、メリットを生かしにくいように思う。

がんばって欲しいねえ。