いつもながら楽しみにしている「あらたにす」です。とくに加来耕三さんの歴史コラムはほんとに面白いのだが、今回はまた一段といいね。

嘉納治五郎伝なわけですが、これだけでドラマ化したいくらいドラマチック。何が興味深いかって、明治の文明開化とともに、日本人の多くは日本の伝統文化を古くさいものとして捨て去ろうとし、あまつさえ伝統文化を守ろうとする者を迫害すらしたというのだから。

おいらはつねづね、日本の欧米かぶれ・海外かぶれは今に限ったことではないと思っていたのね。他に類を見ない日本人オリジナルの文化だった縄文文化をあっさりと捨て去り、大陸文化にかぶれて以降、日本は常に海外かぶれの歴史だったのですよ。某有名タレントが「日本人がクリスマスなんか祝うな! 日本人なら仏様を拝め!」と言ったのを聞いて、「おいおい仏教だって海外から渡ってきた文化ですよ?」と・・・この話、前にもしたっけ?(酔っぱらいの駄話っぽい)

太平洋戦争に負けた日本が、「この際、漢字もカナも捨てて、全部ローマ字にします!」と言って、GHQに「おいおいそこまでしなくて良いよ! 自国の文化は大事にしなさいよ」とたしなめられたという笑い話もあるが、あながちデタラメじゃない気がする。