MLBアトランタ・ブレーブスの本拠地、ターナー・フィールド。天然芝の古き良きボールパークの雰囲気を、最新の建築技術とホスピタリティで裏打ちし復興する「新古典主義」球場の最たるもの。日本では新古典主義といえば新・広島市民球場、通称マツダスタジアムくらいしかありませんが、これがメジャーリーグの主流です。ターナー・フィールドはテレビ中継で見ただけでも、落ち着いて威厳のあるカッコイイ球場ですな。


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で、このターナー・フィールド、新古典主義のセオリーにのっとり、外野フェンスが左右非対称です。日本の野球場では考えられない。それに客席の並び方もなんだかアンバランスで、不思議なカタチしていると思いませんか?

さらに、地図をじっくり眺めていると、あることに気づく人もいるのでは。

外野席の外側に半円形の広場があり、フィールドとつなげると変形の楕円形が見えてきませんか?

種明かしはこういうことです。

1996年、アトランタ・オリンピックのメインスタジアム。これは北側から見た外観なので、奥がバックネット側になります。つまり、オリンピック終了後に、野球場として作り替えたということなのです。

これが日本なら、オリンピックのメインスタジアムは、終了後には陸上競技場として残すのではないでしょうか? かの国はしかしそこはさすが野球大好きの国民性。「陸上競技場? なんやそれ食うたらウマイんかい!」と横山やすし的に毒づいたり?

オリンピックスタジアムを見てもわかるとおり、最初から野球場にコンバージョンすることを前提に設計されています。そのほうがローコストだからでしょうか。陸上競技場よりMLBボールパーク。いかにもアメリカ的でしびれますね。

おまけ:

ターナーフィールドの北側に、でかい駐車場がありますが、そこには野球グラウンドのグラフィックが・・・

これは単なる模様ではなく、オリンピック以前にアトランタ・ブレーブスの本拠地だったフルトンカウンティ・スタジアムの跡地なのです。ちょうどこの位置にグラウンドがあったと。

後楽園球場跡もこんな風にすれば良かったのに。