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↑↑↑ KBS world ハッピーサンデー

韓国のテレビ局KBSの人気番組、日曜夕方の娯楽バラエティ「ハッピーサンデー」、その中の人気コーナー「1泊2日」が、2012年2月をもって終了することが決まった。

番組については、一度このブログでも取り上げたことがある。その上で、その後の海外ニュースでご存じの方も少なくないと思うが、1泊2日のリーダー的存在、タレントのカン・ホドン氏が、国税の申告漏れがあり追徴課税された、ということが発端である。

日本でも「脱税」となれば大問題ではあるのだが、韓国でのそのとらえ方は、正直言って日本の芸能界とは比べものにならない、と感じた。カン・ホドン氏は記者会見で「国民の信頼を裏切った」として、「暫定的引退」を表明したのだ。

この暫定的引退という言い回しが、さかえさん個人にはなじみがなかったので、困惑もするのだが、それよりも日本の芸能人が脱税で引退するだろうかと考えた場合、韓国では脱税の重みが社会的に大きいのだろうと考えるに至った。もちろん、日本だったら罪が軽い、ということではない。

このニュースは韓国芸能界にとって衝撃となった。カン・ホドン氏は1泊2日のみならず、韓国テレビ界ではいくつもの冠番組を持つ、売れっ子の大スターなのだ。特に人気があるのが1泊2日、ということで取り上げているのだが、最近日本でも大物タレントの引退があったので、両者の違いにお国柄も見え隠れして興味深い。

面白い・・・といってはいけないのかも知れないが、実は引退記者会見があった今年の8月以降も、カン・ホドン氏はテレビに出ている。収録済みの番組をそのまま流しているのだ。もしかしてテロップによる表記などがあるかも知れないが、ハングルなのでそれは知るよしもない。だが、これが日本なら、収録済みの番組はお蔵入りになり、穴埋めの別番組を流すだろう。このあたりが文化の違いなのかも知れない。

そして日本では昨夜、スカパーKBS Worldの10月22日深夜(10月23日未明)の1泊2日より、カン・ホドン氏は登場しなくなった。詳細こそ口にしなかったが、メンバーはカン・ホドン氏の不在についてコメントしていた。このオンエアは韓国では10月2日にされたものであり、奇しくも日本で言う秋改変から新体制になったことになる。

さて、ここまでならまだ日本のテレビ界でもままあることかもしれない。収録済み番組を全て流してしまう点にはちがいこそあれ、不祥事を起こしたタレントがテレビ界を去った、ということでは。しかしながら、1泊2日はここから急転直下の展開を見せるのだ。

なんと、カン・ホドン氏は後日復帰し、その上で1泊2日は2012年2月をもって終了すると発表されたのだ。

まず、脱税による暫定的引退を一時撤回し、カン・ホドン氏が復帰すること。そして、番組が終了(打ち切り)する時期が、4ヶ月先の来年2月であること。この2点においては、これまた日本の芸能界、テレビ界では考えられないことだと思う。

そもそも、カン・ホドン氏の引退以降、復帰を願う視聴者の声が大きかったことも、今回の措置に影響していると思われる。確かに脱税は軽くない罪だが、誰かを傷つけたり、他人の権利や財産を侵害したたわけではない、というとらえ方なのだろうか。視聴者はカン・ホドン氏に対して寛容だったようである。

それもしても、「別れの挨拶のために復帰」すると解釈しても、番組終了があと4ヶ月先の話だというのも不思議だ。その時期を選択した理由については、正直わからない。

別に批判めいたことを言いたいわけではないのだが、日本と韓国のこれが違いなのだろうかと考えると、なかなか興味深い出来事である。

なお、1泊2日の終了に関しては、「カン・ホドン氏含む現メンバーの全員降板」を意味し、「メンバー刷新によるシーズン2開始」という選択肢も否定できないことを書き添えておこう。