シリーズが進むにつれ、荒唐無稽になっていくパスワードシリーズ。キャラクターもどんどんケレン味を増してきて、さながらゴングショーですわ。

では、いってみよっ!


レオン・リー(李子龍:リー・ツーロン)

李大龍の弟。香港人。香港の建築王。
右手首に龍の形の青あざがあり、自身は李王朝の末裔であるとの妄想を抱く。利用者をマインドコントロールする危険な新OS「ドラゴン」の開発を計画し、世界中のコンピュータを支配することで、電子王朝による世界征服を目論む。と、ここまで読んでもわかるほど酔狂な妄想を抱いていた。
ドラゴン開発のためレイを香港に呼び寄せるエサとして、世界規模のパズル大会を開催した。
だが、レオンの出資者である英国人、通称「伯爵」はレオンを利用していたに過ぎず、伯爵に裏切られて爆死した・・・と見られたが、実は生きていて、伯爵に幽閉されていた。
アイザックに助け出されたレオンは、結果として伯爵の野望を阻止する片棒を担ぐことになった。
兄の恋人であるレイに密かに想いを寄せていたらしい。
優秀な兄へのコンプレックスがもとで、世界征服の妄執にとりつかれた男。


アラン・リー(李大龍:リー・タイロン)

香港人。コンピューター・エンジニア。シリコンバレーの「ゾディアック社」で勤務、そこでレイと出会った。レイの1歳年上。享年27歳。
やがてNASAの依頼による極秘プロジェクト「宇宙空間における地球外生命探索プロジェクト」に、トーマス・ホワイト、レイと共に参加する。宇宙空間における生命反応をコンピュータシミュレーションし、そこにカンブリア紀以前の生命体DNAが無いかを探索する、というプロジェクト。地球生命がどこから来たかを検証する壮大な計画である。
プロジェクトリーダーのホワイトは、茶目っ気でお互いをコードネームで呼ぶことにし、自身はチャーリー、大龍はアラン、レイはサブリナと名乗る。この名前で呼んで良いのはお互いだけ。
レオンの「ドラゴン」開発に協力を依頼されるが、弟の言葉が世迷いごとにしか聞こえず、アランはこれを拒否。それはまさにアランがレイにプロポーズをした場であり、水を差されたレイは困惑してしまう。そのためアランの求婚を受ける気持ちは固まっていたものの、返答は翌日に延ばしてしまった。
だが、レオンは兄への報復のため、兄の乗用車のICを細工し、暴走するよう仕向ける。ほんの少しケガをさせるつもりが、思いもよらぬ大事故となり、アランは死亡。ショックを受けたレイは、プロジェクトを辞め風浜に戻る決意をする。


ミン

香港人。アラン、レオンの幼なじみの女性。マコト小6時に20歳。
妄執にとりつかれたレオンを心配している。伯爵に捕らわれたレオンの身の回りを世話するため、髪を切って少年になりすます。レオンに想いを寄せている。


万乗目(まんじょうめ)

香港でレイが出会った日本人。現在50代と見られる。
かつてレイが京都で親友ちづるの神隠し事件に巻き込まれたとき、ちづるの実家・宮ノ森家の運転手をしていた。ちづるの身の上に同情し、神隠しの片棒を担いでいた。
かつてはキックボクサー「ハリマオ万乗目」として活躍していたため、格闘も強い。
宮ノ森家の仕えをやめた後、香港に渡り喫茶店を開いていた。レイと偶然出会い、レイの危機を救った。


伯爵

英国人。見た目はチャーチル元首相に似ている。山高帽にステッキの老紳士。本名は不明。
アーサー王のミイラ(伯爵曰く、ゆえに本物かどうかは不明)を所有しており、レイたちの秘密プロジェクトの副産物としてアランが開発したと思われる「DNA解析プログラム」を利用し、アーサー王のクローン人間を作ろうとしていた。クローン・アーサー王を象徴とした王朝を立ち上げ、世界征服を目論む。と、レオンにも劣らぬ妄言を真剣に語る。
レオンには世界中に居城となる「ドラゴンタワー」を作らせる予定だった。しかし独断でアランを事故死させたり、電子王朝のために勝手な行動を起こしたため、爆死に見せかけて伯爵にとらわれ幽閉された(レオンの会社と建築計画を乗っ取り、継続するため)。
レイと電子探偵団、アイザック、田中一茶の活躍で伯爵の野望はついえ、ミイラと共に海に落下し息絶えたものと思われる。


アイギール

英国人。全英クレー射撃大会準優勝の腕前を持つ女性。伯爵の部下で、狙撃の名手。


ドクター・モーティマー

英国人。伯爵のアーサー王復活プロジェクトを支える科学者であり医師。シャーロック・ホームズ「パスカヴィル家の犬」に登場したジェームズ・モーティマーの孫。祖父同様、頭蓋骨マニアで、アイザックの頭蓋骨を手に入れようとする。


細田ちづる(ほそだ・ちづる)

レイの小学生時代の同級生で親友。
父母と3人暮らしだったが、小1のときに父親は家を出て行った。母は小6のときに心臓発作で急死し、天涯孤独となったちづるは母親の実家、京都の旧家・宮ノ森家に引き取られることに。
旧家のしきたりにとらわれた、堅苦しい暮らしに耐えかねたちづるの元に、かつて家を出た父・細田タミオが現れる。ちづるを再び引き取りたいという父の願いを、ちづるは拒絶した。
実は、音楽家だった父は、音楽を捨て宮ノ森家に入るよう命じられていたが、父は夢を捨てきれず、ちづるを置いて姿を消した。数年後、ちづるをイメージした曲で作曲コンクール賞を取った父は、作曲を通じて家族の大切さに再び目覚めたのだった。
自分をイメージした受賞曲を聴き、父の自分への愛情を知ったちづる。宮ノ森家に入る息苦しさ、つらさを身をもって知ったちづるは、父の気持ちを理解し、一計を案じて「天狗の神隠し事件」を起こし、宮ノ森家から姿を消した。真相は、父と万乗目の協力のもと、古い風習にとらわれる宮ノ森家の体質を逆手に取り、神隠しを偽装して逃走したのだった。
レイはその謎を解いていたが、ちづるの気持ちをくんで、自ら神隠しの証人となった。
ちなみに、長年レイにもわからなかった「消失トリック」は、マコトがみごとに暴いて見せた。このエピソードは、母親に捨てられたと思っていたまどかの心にも響いた。


コラン・アルヌール

パリの名家アルヌール家の次男。アイザックの「はとこ」にあたる。アイザックの1歳、マコトの2歳年上。アルヌール家の財宝をめぐる事件に巻き込まれたレイをサポートした。この財宝を発見したことで、ヨーロッパの地に眠っていたいくつもの因縁が再び目覚め、様々な事件を引き起こすことになる。
コランは栗色の髪、青い眼の美少年。探偵の素質もある頭脳の持ち主(ネタバレになるので詳細は書きません)。アイザックの影響で日本語も堪能。英語もできる。
その後も電子探偵団やレイと関わる事件に、なんらかの力を貸すことになる。マコトたちと日本で出会っており、電子探偵団、特にマコトの推理力に舌を巻いた。
父ジェラール、母エリザベート、兄ポール、妹クロエの家族構成。クロエはちょっとバカっぽいがこれまた萌え。


レティシア・シムカス

新進シャンソン歌手(おいっ)。マコト中1時点で17歳。にんじん色の髪を三つ編みにしたそばかす少女。
その正体は秘密結社「怪盗ダルジュロス」のボス。ダルジュロスは怪盗を名乗るが、1人の人物ではなく組織である。財宝を封印することでヨーロッパの平和を保っていた。
本人も忍者まがいの戦闘のプロ。竜子と互角に渡り合った。
パリの地下にかつて張り巡らされていたカタコンブ(納骨堂)を根城とする「地下の民」の末裔。
幽霊同盟との対立に際し、ライバルであるはずのアイザックやコランと行動を共にすることも。


ジュリエット・モロー

世界中の財宝を狩るトレジャーハンター集団「幽霊同盟(アリアンス・ファントム)」の首領。絶世の美女だが、冷酷で残忍な性格。対立するものはみな不慮の死を遂げた。
うりふたつの双子の妹ジュスティーヌは世界的に有名な女優(といいつつ、ここにも謎が・・・)。
ヨーロッパの財宝をめぐりダルジュロスと対立。


平田風人(ひらた・ふうと)

復讐のために風浜に舞い戻った不良少年。雷人と双子の兄弟。
マコト中1時点で中3。架空の拳法・冥月拳三段の使い手だが、あまり自分で手を下すことはなく、格闘は雷人に任せている。
他人をあざけり笑う、軽口をたたくなど、相手を小馬鹿にする。かつてはそうすることで暴力に訴えない手段だった。が、父親を侮辱されたことで、歯止めは壊れてしまった。風人が言葉で相手を怒らせたあげく、雷人がたたきのめすのがパターン。風浜じゅうの不良を力で束ね、利用して復讐を果たそうとしていた。冥月拳は、身寄りのない自分たちを引き取り、鍛えてくれた祖父の道場で身につけた。道場のある北関東の川蔵市(川越がモデル?)で幼少期を過ごす。冷酷非情に見えるが、義に厚いところもあり、恩義を感じている人たちには礼節を尽くす。
風浜の一大ショッピングモール「ピラミッド・スクエア」建設に当たり、用地買収にまつわる地上げ行為で、実家のせんべい屋に放火され、両親を失う。その地上げにまつわる黒幕たちを社会的抹殺するために計画を立てた。
が、不良たちに裏切られ、一方でマコトたちの尽力によりある謎が解けたことで、亡き両親の自分たちへの深い愛情をあらためて知り、復讐心は消えていった。放火事件の黒幕たちは、その悪事が露見し、結果的に復讐は果たされたとも言える。
騒動の後、平田兄弟は冥月拳道場を継ぐため風浜を去る。
右手の甲に赤いバラのタトゥーシールを貼り付けているのは、雷人の右手の甲のやけど痕とおそろいにするため。


平田雷人(ひらた・らいと)

風人の双子の弟。見た目では風人とまったく見分けがつかないが、放火の際の恐怖で心に傷を負い、言葉をしゃべれなくなっている。右手の甲の痛々しいやけど痕は、バラの花のようにも見える。
冥月拳三段だが、実戦においては風人にまさる。風浜のなみいる不良を倒すほど強いが、実際はケンカを好まないようだ。それが風人のためだと思い、彼は闘うのだ。風人よりも先に手を出すのも、風人を傷つけたくないためだと思われる。


アレクサンドル・コーンフィールド

希代のイリュージョニストで、エッフェル塔を消す、ピラミッドの石造りの壁をすり抜けるなどのマジックを披露してきた。レイは彼の大ファン。
ある事件に巻き込まれ、電子探偵団とも関わりを持った。
デビッド・カッパーフィールドがモデル。


若王子ユウヤ(わかおうじ・ゆうや)

「猫耳探偵まどか」に登場。
若王子牛乳販売店の店長だが、午後のみ「若王子探偵事務所」を開設、探偵業を営む。
推定年齢30歳。
ばあさんのばあさんがフランス人らしい。見た目はイケメンだが、生活はかなりだらしなく、探偵としての腕前も微妙。
まどかを土日の午後のみ探偵として雇う。
まどかが一瞬「ステキッ」と思ったが、光より早く醒めた。
「猫耳~」はまどか小6時のエピソードだが、パラレルワールド的にとらえないとつじつまが合わない部分もある。


小早川ひろの(こばやかわ・ひろの)

若王子牛乳販売店および探偵事務所の経理兼事務。関西弁の典型的おばちゃん。
まどかの「猫耳」(推理が最高潮に達したとき、ボタンを押すと猫耳が飛び出すカチューシャ)を考案し、誰のためだかわからないギミックで萌え要素を追加した(何それ)。


八木リカ(やぎ・りか)

四葉女子大付属小でまどかの友人である同級生。情報通として知られており、学園内外のさまざまな情報量においては「人間グーグル」とまで呼ばれる。お嬢様校には異質な、好奇心旺盛で快活、おきゃんな(死語?)性格。
パスワード本編にも何度か登場。


二本松鷹子(にほんまつ・たかこ)

葉村の名家・二本松家の当主。推定60代の気品あふれる婦人。普段は気取らない格好でハトにえさをあげている普通のおばさん。どじょっ子にいじめられているところで、みずきと出会った。
祖父の二本松鷲之介は海東千造の親友だった。そこに風張敬一郎を含む3人の親友同士で、現在では1億円の価値があるという、ブルー・モーリシャスとよばれる幻の切手を入手した(・・・が、ここにもひと波乱あり)。
二本松家に跡取りがいないことから、柳田開発にその土地を狙われていた。が、家出していた息子・二本松雀太郎(じゃくたろう)が帰宅したことで、問題は解決。雀太郎は世界中を旅する風来坊で、海外ではジャックとよばれ、探検家気取りだった。
ちなみに雀太郎の婚約者ペンギン・スーことスージーさんが超萌えで(以下アガートさんと同様なので割愛)