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ナイロン100℃ 38th SESSION「百年の秘密」観てまいりました 。

途中15分の休憩入りの2幕、正味3時間30分の長丁場。しかしながらさかえさんは1幕だけで十分この舞台が伝えたいことは伝わったといいます。

そういうわけでもっとコンパクトにできたんじゃないかと思いますが、かといって中だるみも無くギッシリズッシリ見応えのある舞台でした。疲れたということもなく。

12歳の少女ティルダとコナ、親友同士の二人の人生を軸に、文字通り100年にわたる家族と友情の物語。それは互いに人には言えない秘密を秘めた、裏切りと欺瞞に満ちた人生の群像であり、それ故に傷つきながら、それもまた人生と強くせつなく生きる人たちの物語。

時間軸をところどころ行ったり来たりするのも特徴なんだけど、それが長時間になった要因でもあると思うので、もうちっといくつかのシーンを「裏にまわす」ことで、観客に想像させることが出来たかも知れない。実際、1幕だけでほとんどの秘密はわかってしまったし、家族たちの破滅的展開も、キッチリ描いてしまわなくても、先をほのめかす程度で良かったんじゃないかと思う。シーンそのものを描くことが目的ではなく、ひとりひとりのドラマが観客の心に投影されればよいのだからして。

見ごたえはさすがケラさんなんだけど、今回はむしろ親切すぎたかも知れない。分かりやすく描こうとしてシーンがてんこもりになっちゃったと言うか。

たとえば登場人物のカレルは、17歳の時に教師アンナに恋をして、いろいろあって別れ別れになったのだけど、彼も家庭をもって30年以上が過ぎて、年老いて弱ったアンナに再会して、家族も何も捨ててアンナと老いらくの恋に身を投じ、破滅へと突っ走るんだけど(アンナの配役は無し)、アンナ自身はどんな考えなんだろうとか、カレルはなんで30年もアンナを思い続けていたのかとか、結局わからない部分も多いのですよ。