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軽い気持ちで手に取ってからはや3巻目。あー、これいいわ。何でも無い日常にドラマあり。みんな痛みを抱えて生きている。ただ生きている。

ジゼルの父がジゼルに辛く当たる理由。それはジゼルを産んだことが愛する妻、ジゼルの母を死に追いやったと思っていること。いや、父親もそこまでひどい自覚をしているわけでは無く、心のどこかで引っかかっているのだろう。ジゼルには姉がいるが、父は男の子が欲しかった。身体の弱い妻に二人目を産ませたことが、結果的に妻をさらに弱らせてしまったと思っている。結果、生まれたのはジゼル、待望の男の子では無かった。父は父で自責の念にさいなまれたろうし、ジゼルが憎いわけでは無いが、愛憎がないまぜになって、戻れなくなっているのだ。

今回はエリック青年がジゼルのアパートメントを出るというイベントあり。だがそこにも「大人の事情」が・・・小説家を目指すエリックは、新人賞佳作の栄誉を胸に、青雲の志を抱いて都会へ出るのだが、まっていたのは「有名作家のゴーストライター」という現実。

なんかもうね、痛いですわ。

「たとえ私のこの体が朽ちても、誰にも壊せはしないのだ---この、心は」