なんつーかブラック・ウィドウ押しな映画だった気がしますね。そしてなんといってもロキがいい。最初はフューリー長官が前面に出てくるんじゃないかと思ってましたが・・・

でも、コールソンそう来たか! 映画オリジナルキャラだと言うことはわかってたつもりですが、こういうことのためにキャスティングされたのか・・・しみじみ

キャラクターとしては、スタークが全部持って行ってしまうんじゃないかと思ってましたが、おのおののキャラクターがちゃんと生かされて描かれていたのはみごと。人間ドラマにしようと思って描き込みすぎると、この映画の場合バランスを崩してダメになったと思う。かといってドラマが無いわけじゃなくて、必要最小限でもちゃんとドラマになってる。ブラック・ウィドウことナターシャの描き方はうならされるばかりでした。

キャプテン・アメリカがイイ! これこそ原作通りなのか、的確な指示を出すところがキャップの面目躍如。

もともとはジョン・ファブロー(アイアンマン監督)にオファーされた本作、断った理由は「アイアンマンのテクノロジーと、ソーの神話ファンタジーを同じ画面で描くことはむずかしい」ことだったらしい。それをジョス・ウェドン監督は、実にいいバランスで描いて見せたと思う。アスガルドの神話的魔法世界にあまり引き込まれず、戦争映画にして見せたのが正解だった。

敵方をあまり描写せず、ロキに集約させたのも良かった。アメコミファンでも無ければ、映画版初出の宇宙人ヴィランを描写したところで、劇場映画サイズで落としどころが難しい。しかもラストにその辺の含みを持たせることで、マーベルファンにも訴求しているのが泣かせる。

まあ、日本だとお正月映画的なお祭り作品が本質なんだろう。なので「これが映画だ」と言われてもなあ、という思いはある。だが見て損はないので見るべし。144分あるけどあっという間だから。

まあでも、ブルース・バナー役の役者がなあ・・・おっさんくさいというか大根というか。なんかいい人っぽくS.H.I.E.L.D.に協力(いやいやだけど)してるのに違和感アリアリ。とはいえ、エドワード・ノートンは諸事情で参加できなかったわけだけど、あのメンバーに加わってる絵は想像しがたいのは事実。ハルクのアベンジャーズへの加わり方が今回のネックだったろうな。このあたりが落としどころとしては、まあまあギリギリかな。

エージェント・ヒルがすてき

ちなみにエンドクレジット後も見逃さないこと!