dsc00057

http://6ninno-shujinko.com/index.html

というわけで池袋は東京芸術劇場にて舞台見てきました。山ちゃんこと山寺宏一さん主演のミュージカルですよ。

ミュージカルは好き。なぜか浅井企画臭のする舞台でしたが(けなしてはいない)、小難しいことは言わず見せず、楽しめる舞台でした。

山寺さん演ずるは、子供向け名作の舞台脚本を生業とする脚本家。オリジナルの戯曲を書きたいと思いつつ、いつまでも完結せずほったらかしにしていた作品の主人公達が、現実世界に現れ、結末まで書ききるよう作家をせかすというお話。しまいには逃亡してしまったりする作家なのですが、逃亡先で物書きに必要なことを学び、ついに結末を書く決心をつけ帰宅する。

「ストーリーを書こうとしてはいけない。登場人物の人間を書くのだ。自ずとストーリーはついてくる」」

なんだか脚本の教則本みたいなセリフでした(笑)

だが、やっと重い腰を上げた作家に対し、作家不在の間に作品の登場人物同士が仲良くなったり恋心が芽生えたりして、ストーリーに口を挟み出す。別の作品の登場人物と自分を結ばせろだの、ハッピーエンドじゃないといやだの・・・あまりに身勝手な注文ばかりに、ついに作家もキレてしまい、やはり書くのをやめると宣言する。

だが、作家の心の奥底にあったのは、作品を完結させることを恐れる心。作品を完結させてしまえば、世間に発表され批評される。彼はその評判が怖かったのだ。彼は叫ぶ。

「褒められたいんだよ!」

小難しいことは言わずといいましたが、ちゃんと戯曲化の心の奥底をえぐるような、それこそ人間がきっちり描かれていた良い舞台でした。歌と踊りも楽しかったし。

欲を言えば、展開にもう少しキレというかテンポというか欲しかったし、全体的に「熱気」がもうちょっと満ちていれば満点だったかな。でもでも、非常に面白かったのですよ。

追記:
山寺宏一と高木渉の競演に、「ディズニーとワーナーのアヒルの競演だー」と思ったのは俺だけですかそうですかめんぼくない