ラジオが好きなので、クルマの中でも歩きでもラジオを聴いていることが多い。そうなると好むと好まざるにかかわらず音楽が聞こえるわけですが、好きな音楽ならともかく、これはちょっとなあ、と言う音楽がかかるとツライ。

特に最近のヒット曲、「今時の曲は」なんて年寄り臭いことは本当は言いたくないのですが、ダメダメな曲が多くてげんなりします。

なんかというと傷ついた自分をさらして「傷ついてるアタシを受け入れて」って内容の曲ばっかりで、つまりそういうのが受け入れられている世相なんだろうけど、甘え過ぎじゃないか、甘えん坊に迎合しすぎじゃないかって思うのです。

まあ、今の世相では、若者を甘やかさなすぎな気もするんですが、それにしても「わたしをわたしを」って曲が多くて、「お前自身は何と誰を受け入れるんだ」って思う。自己実現と自己肯定を周囲に強要しているばかりで、自分は何をするのかしたいのかわからない。おいらの大好きなキリンジの「柳のように揺れるネクタイの」という歌の歌詞に次のようなのがあります。

若者がギターを弾き歌う
若者に媚びた歌を
自分らしく君らしく、と
慰められて浮かぶ魂
安上がりでそいつは結構だ

[tmkm-amazon]B000IFRWJE[/tmkm-amazon]
↑↑↑ Amazonアフィリエイト

キリンジらしい毒っぽさでいいなあ。でも実際そういう歌が多いですよ。ヒップホップなんかでもやたら仲間とか家族とか協調するけど、それらに対しては甘ったれた自分を受け入れるぬるま湯としての価値しか求めていない。ずいぶんと感謝の言葉を並べ立てたりもしてるけど、その謝意を行動で示す部分が感じ取れないんだよね。

メロディーもダメダメなのが多い。5度やオクターヴを繰り返すようなメロディーとも言えないフック、なんというか「ピアノの鍵盤の片手で届く部分を行ったり来たりしてるだけ」のようなメロディーが耳に付く。もうそうなると音楽とは言えないような楽器遊びですよ。

一方でまともな音楽をやっている人たちもいるわけで、おいらはそういうのを細々と追っかけていきたいと思いまする。

ジェイ・グレイドンの「Airplay for the Planet」の1曲目「Walk the Wire」なんて、詞は英語だから訳さないと内容はわかんないんだけど、滋味あふれるメロディーと優しくも力強いヴォーカルだけで、なんとも元気が出てくる。それも背中から追い立てるような元気づけじゃなく、自分の足で立ち上がり歩き出すチカラが湧いてくるような元気づけなんだよね。こういう音楽がおいらは好き。

[tmkm-amazon]B00006AMVP[/tmkm-amazon]
↑↑↑ Amazonアフィリエイト(在庫切れだけど)