表現
総合 5月 21st, 2008 at 22:28:30表現はつねに自由であるべきだが、ともなう責任から逃れられるわけではない。
自由を「責任を問われない」ことと勘違いしていたら不幸だ。むしろ自由は、自らにルールを課せない者には荷が重いと考えた方が良いと思う。
このところのコミックやアニメーションの表現において、倫理規定に引っかかるケースが散見されると聞く。少なくともグレーゾーンに足を踏み入れるケースが目につくと。表現に対して意欲的であったり、ギリギリの所に挑戦する心意気は買いたくもなるが、残念なのがそのほとんどが性的表現において、と言う部分だ。あるいは暴力表現。ほとんどが内向きなのだ。社会性へのテーゼではなく、私的なツボを刺激するのみではないのか?
性と暴力の表現は常に社会性や倫理性において焦点となりがちである。文芸の世界においても映像の世界においても。だが、安直な、というか低俗なセクシャル表現が横行するのは、若干子供じみてはいないかと心配になる。むしろ倫理を盾に規制を引き込む理由付けにされないか、と。アメリカン・ニューシネマは、「何も残さなかった」と言う点で画期的だが、それでも、あの時代の怒りのたぎり、そしてくすぶりをフィルムに残したという意味で社会性があった。
別に聖人君子ぶって清廉な道を問うてるつもりはない。だが、とりつかれたように性的表現に向かうレミングのような作品がなんと多いことか。むしろ表現を狭めているだけではないのか。
重要なのは、その表現法によって、何を伝えたいかと言うことだ。実験映画でもない限り、表現とは目的ではなく手段であるべき、というのがおいらの意見だ。単にリビドーを喚起するだけのポルノまがいだったら、御免こうむりたい。たとえば永井豪の作品が「それだけ」じゃないことは読んでもらえばわかると思う。作り手の皆さんには、「それだけ」の作品に堕ちてヨシと思うのか。それを問いたい。
※風呂絵師に言われたかねえや、とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、「だからこそ」という思いがあるのですよ。わかってもらえるとも思いませんが。
5月 22nd, 2008 at 23:21:28
最近のアニメを全然見てないヤバい状況のやまぐちです。
(自分が参加している作品すら見逃すことがありますってば)
具体的な作品名を挙げろとは言いませんが、ヒントは欲しい。
それはそうと、最近、現場に素人が増えたと言う感想を
某カニ担当Pが言ってたのを思い出しました。
例えば画面全体を砂の嵐にしたら、放送事故扱いにされてしまうのですが、
それを平然とやっちまってた某デジモゲリオン(そんな言い方されていません)とか、
今日もニュースになってましたけど、ジョジョのOVAとかね。
5月 22nd, 2008 at 23:58:44
もっぱらコミックのEGV(エロ・グロ・バイオレンス)傾向が気になっていて、たとえば月刊王者赤とか。やまぐちさん旧知のスタッフさんが多数おいでですが(乾いた笑い)。
そこへ来てGyaoで、なんですか寸止めがどうのいうアニメが配信停止とかニュースを見て、ちょっと「気になる」のレベルじゃなくなって書いてみたんです。
ぶっちゃけてしまえば、そういうのやりたきゃ18禁でやれば?とか、むしろ18禁の作家さんのほうが、規制の緩さを逆手にとって斬新で志のある作品作ってる人がいるよ? ただ青少年の下半身スイッチONにするだけで、何か満足なの?と思ってしまいましてね。
おいらがやまぐちさんや西園さんのファンである点の一つには、何書いても「洒落」がきいてるからで(漢字で「洒落」と書くニュアンスが重要)、洒落になりませんわ、と言う作品はどうもね。気になる。悪い意味で。
5月 23rd, 2008 at 12:02:38
検索完了。配信停止の件に関しては、
責任取らないといけない人間はいろいろいると思いますが、
それ以前に、なんでそんな企画を通すのかと。
原作がラノベ、エロゲ。どれも似たりよったりで、作品の色がなさ過ぎ。
このままだと10年戦えずに日本のアニメ産業は死に絶えます。
かく言う自分が死に体で、斬新な企画なんぞ用意できていないので、
あまり大きな口は叩けないのですが。
5月 23rd, 2008 at 21:43:22
なんか広告代理店系のPちゃん(ザキラファミリーか!)もといプロデューサーあたりが幅をきかせてそうな・・・勝手な邪推ですが。
「次、ヤンデレとかいうの、どうよ?」とかね。
やまぐちさんのおっしゃることはもっともです。もっと良い意味で目立つよう、他の作品と差別化していく気概が欲しいですよ。
話は違いますが、このブログでも取り上げている「BEN 10」は、やまぐちさん好みかも。アメリカのB級SFテレビドラマの味わいが良いです。
まあ、死に体とか言わないで、「次の波は来る! まだ来てないだけだ!」という気分でいきましょーよ。