これをやりたかったから、ブレイブ・アンド・ボールドのスーパーマンは後ろ姿どまりだったのか!

いやはやとんでもなく面白いエピソードでした。いちおうワームホールのかなたの別惑星ということですが、パラレルワールドものだよね。

地球のような惑星Zur-En-Arrh(ズー・エン・ラー?)に飛ばされてしまったバットマン。しかしこの世界には、もう一人のバットマンがいた。この地元バットマンの声が、ザ・バットマンの加瀬康之さん、英語版ではケビン・コンロイ!というのがまた技きいてる。そしてこの世界のバットマンはスーパーマンのようなシチュエーションにある。その名もゴストロポリス(Gothtropolis)市の新聞社デイリープラネットならぬソーラーサイクルグローブ社につとめる、クラーク・ケントならぬテラノが地元バットマンの正体。加瀬さんの声と演技だと、クラーク感がうまく表現されててイイ!

しかし彼はやはりバットマン、スーパーパワーなど無く、知恵と勇気とガジェットで敵と戦う。ライバルはレックス・ルーサーのようなロートル(Rohtul:歳食ってるという意味ではなく、Luthorの逆綴り)。声はザ・バットマンでレックス役だった中田譲治さん、英語版もレックス役クランシー・ブラウン。全部はツッコミきれない!

そしてロイス・レーンもしくはビッキー・ベイルなヒロイン、ビルシィ・ベイラー(声:ロイス・レーン役ダナ・デラニー!)がすてき。スーパーマンにあってバットマンに無いロマンス担当要員。佐藤ゆうこさんじゃないところが残念無念メタルメン。

でも警察長官がゴードンで、執事ロボットがアルファレッド(笑)そこはバットマンなのね。

英語版の声優がことごとくアニメ版スーパーマンやバットマンの声優であることなど、本作のバットマンが玄田哲章さんであることと同じスタンスなのでしょう。

惑星ズー・エン・ラーの大気中に含まれるロドンの成分により、地球人は筋力が増強されるわ、空を飛ぶわ、目から冷凍光線を発することが可能になるわ。はからずも「スーパーマン」になってしまった地球バットマンの浮かれ具合に笑った。しかしそこには落とし穴が。そう、スーパーマンにとってのクリプトナイト、それはクオーツ!

アメコミのパラレルワールドものには食傷気味だったのですが、これは傑作ですよ。

ロートルのロボット軍団のB級ぽさがまたいいのよ。

ビルシィさん