プリウスをはじめとするハイブリッド・ドライブカーは市民権を得ましたが、実はハイブリッドにはシリアルとパラレルの2種類があるのです。

プリウスなどの現在販売されているハイブリッドはすべてパラレル。

動力源が複数あり、その組み合わせで走らせるクルマをハイブリッド・カーと言いますが、内燃機(エンジン)と電気モーター、そのどちらも車軸を駆動する役目をもつ場合、これをパラレルといいます。これに対しシリアルは、エンジンはモーターの電力を発生させる発電機としてだけ使い、車軸を動かすのはモーターだけです。

そこに何のメリットがあるのか? 実はエンジンは「一番チカラの出る回転数」をキープしている間が「一番排気がクリーン」なのです。

つまり、ガソリンなどの燃料の燃焼効率が一番高い回転数のときが、熱エネルギーを効率よく動力に変えられるため、ガソリンの燃え損ないが窒素酸化物や二酸化炭素にならないのでクリーンなのです。

しかし、実際に町中を走るクルマの場合、スピードを一定に保てないし、信号待ちを含めてストップ&ゴーが多いと、エンジン回転数も一定を保てません(ギアでスピードを変えるのは苦肉の策)。エンジンを発電のためだけに使えれば、よくお祭りの出店の綿アメ屋などで見るガソリン式発電機、あれのように回転数を一定に保てるので、ガソリンを効率よく燃やせて燃費も良くなり、排気も限りなくクリーンにできると。

しかしながら実際にシリアル・ハイブリッドカーが実現しない理由は何なのでしょう。機械的な信頼性が劣るのかなあ。たとえばバスなどのように市街地を走る公共交通では、排気がクリーンだし、既存の車体に動力源だけ置き換えがしやすくコストを押さえられるシリアル・ハイブリッドは有利だと思うのですが。