ブリ探といえば、微妙な作りが特徴で(笑)、それが味なんだと思ってるんだけど、今回は良い方向に期待はずれで、よくできてて面白かった。ありがちなテーマではあるんだけど、見せ方がうまくて構成もしっかりしていたぞ。

前回の軍人風マッチョおじさんはカイルという名前でした。ついに万病の特効薬ゴールドベリーは実を結んだのだが、このままではゴーグの手下に奪われてしまう。はたしてゴーグの手下とは?

いっぽうプルケは、カイルに教わったという「恋愛が実るキノコ」をシルバに食べさせようとする。だが、得体の知れないキノコを食べさせられようとしたら、そりゃまあ断るわな。あまりに冷たいシルバの態度に、さすがのプルケも怒り、二人は冷戦状態に。

ゴールドベリーが熟したとき、「雲の女神」があらわれた!(ゲーム風) おとなしくゴールドベリーをわたせという。ゴールドベリーが実るたびに同じ事を繰り返してきたカイルは、こんどはジンたちの助けを借りて、難病の娘の元に急ごうとする。だが雲の女神は雲らしく、どんな攻撃もすり抜けてしまい効き目がない。ついにはプルケと雲の女神の間でゴールドベリーの奪い合いになり、そのまま最高峰の島へ。

健闘むなしく雲の女神に実を奪われたプルケだったが、島(というかもはや山なんですが)をさまよううちに、雲の女神に遭遇。そこには巨大な大木の精霊がおり、原因不明の病に苦しんでいた。巨木の精霊はゴーグなのか? 雲の女神がゴールドベリーを奪っていた理由は、苦痛にさいなまれる精霊を治療するためだったのだ。しかし、これまでカイルから奪ったゴールドベリーを服用したにもかかわらず、巨木の精霊は弱る一方だった。

これはもう効かないと精霊が投げ捨てたゴールドベリーを、こっそりと拾ったプルケだが、雲の女神に見つかり、逃げる内に巨大な穴に落ちてしまう。

一方、雲の女神を追って最高峰の島へとたどりついたジン、リバシ、シルバ。そこで雲の女神と巨木の精霊にはちあわせ、緊張が走る。苦しみもがいている巨木の精霊を、ジンたちはゴーグが怒り狂っていると受け取っていた。

プルケは穴の底で、スティッチもどきの怪物が巨木の精霊の根っこを食べているのを目撃する。巨木の精霊はゴーグではなく、苦しんでいたのはこれが原因で、根っこを食べていたスティッチもどきの怪物こそが、ゴーグ・トゥアモンだったのだ。真実を知ったプルケだが、トゥアモンに気づかれ、穴の中を逃走する。

地上で戦っていた雲の女神とジンたち。そのさなか、プルケたちのいた穴が、暴れる巨木の精霊の根っこで掘り出され、プルケとトゥアモンは地上へ放り出される。ジンたちと再会し、事の真相を暴露するプルケ。雲の女神はその事実に驚く。一度はとらわれの身となったトゥアモンは、土を原料に巨大化し、ジンたちに襲いかかる。土の怪物であるトゥアモンは、土を槍に変えて攻撃するが、雲の精霊が巻き起こした風によりそれは霧散した。リバシはトゥアモンの弱点が風であることを知り、風車へと急ぐ。

シルバとプルケは力を合わせてトゥアモンをおびき寄せる。プルケはシルバがいかに自分のことを心配していたかに気づき、感動する。トゥアモンはおびき出された風車の突風で体が崩れそうになるが、力を振り絞り風車を壊そうとする。それを阻止するため、雲の女神は周囲の雲を集め、自身も巨大化してトゥアモンを羽交い締めにした。だが、雲である彼女もまた、風車の風で吹き飛ばされる運命に。女神は、愛する巨木の精霊を守るために、彼の天敵のトゥアモンと運命をともにしたのだ。

トゥアモンは砂になって風に飛ばされ消えていった。雲の女神もまた・・・

雲の女神、その無償の愛を見せつけられ、涙を流すプルケ。巨木の精霊もまた慟哭した。

巨木の精霊は生き返った。と同時に、風の島もまた緑と花に覆い包まれた。ゴールドベリーも、あらたに無数の実を結ばせた。そもそも、ゴールドベリーの木が枯れていたのも、巨木の精霊が弱っていたからなのだ。

カイルは娘に与えるゴールドベリーの実をかかえ、ハンググライダー付きの船で海を目指す。ジンたちは、トゥアモンが遺した天上の宝、「天上の羽根」を手に入れ、ロイヤルゴールド号へと戻っていく。

シルバとプルケの仲違いから始まり、雲の女神の犠牲的な愛の姿を描く本編の構成は見事でした。カイルが娘の難病を治したいように、雲の女神もまた愛する巨木の精霊を苦痛から救うためにゴールドベリーの実を奪っていたという、ドラマ部分が充実していたなあ、と思います。かといって深刻にならず、白ヒゲたちのギャグパートが息抜きになっているし、娯楽作品としてかなりのレベルに仕上がっていますねえ。

プルケがホント、中身は乙女なのが萌え萌えだのう。