http://tower.jp/article/feature_item/2012/09/07/0102

日本のミュージックシーンにおいて歴史的名盤と呼んでも過言では無い、ギタリスト・作編曲家の松下誠の3枚のCDが、タワーレコード限定で復刻!

かつてジャズ・フュージョンシーンのスタジオミュージシャンたちが、その音楽性と演奏能力で表舞台を席巻したことがあった。ボズ・スキャッグスのバックバンドが元となって結成されたTOTOが最右翼であろう。日本においても、このブログで書いたマライアなど、歌謡曲という枠には収まりきらないミュージシャンがどんどん表舞台をにぎわした、1980年代。

松下誠は凄腕のギタリストであり作編曲家として名をはせた一人。だがそんな彼が満を持して発表したソロアルバム第1弾「First Light」は、高い評価を得ていた彼ゆえの期待も高かったにもかかわらず、そのはるか上を突き抜ける、衝撃的な一枚だった。シンセサイザー全盛期の当時のミュージックシーン、キーボードが楽曲アレンジに占める影響力は絶大だった時代において、キーボードに過剰に頼らずギターだけでこれほどの色彩感を表現したそのアイデアとテクニック、そして音楽性。それらは第2弾「The Pressures and Pleasures」、第3弾「Quiet Skies」において、さらに進化と深化をとげ、ロックとしてもポップスとしても高度なハーモニーとメロディーを紡ぎ上げた。

同時期に、エレクトリック・ギターの可能性を広げたミュージシャンとして、ロバート・フリップやスティーブ・カーンがあげられるが、松下誠もまたそのひとりに加えてもいいはずだ。「誰の真似でもないし、誰にも真似できない」という意味において。