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というわけで、船橋ららぽーとのTOHOシネマズにて映画「My Blueberry Nights」を観てきました。映画館で映画観るのはなんとスターウォーズEp3以来。なんてへっぽこな俺。それにしてもいつのまにか、船橋ららぽーとのシネコンはTOHOシネマズになってたのね。上の写真は観た映画とは関係ありません。

監督はウォン・カーウァイ、いかにも映画らしい映画でした。何をもって映画らしいというか、おいら的にはフィルム感、レンズ感といいましょうか。良い映画は良い写真でもあるのです。このところのCG満載映画はこれを忘れている。特に邦画。パソコンのモニター画像を拡大してるだけ、みたいな映画が多い。那須博之監督のデビルマンとか、紀里谷和明監督のCASSERNとか、実名をあげるとファンに悪いから言いませんけど。

それと、「映画はストーリーじゃない」というのがおいらの持論。映画とは「連続写真を時系列に沿って見せる」ことで(パラパラマンガですね)、観る人の脳内で残像を組み立て、あたかも動いているように錯覚させる、というものなのです。その分、脳が働いていることで刺激を受け、それによって「シアワセなヒトトキ」と感じることが映画の魅力なのではないか。これはおいらの仮説。

さらに言うなら、映画にとってのストーリーは、観る人の目の前に広がる道筋ではなく、観たあとに残る足跡なのではないか。うまく言えませんが。

ノラ・ジョーンズは本業が歌手であり、この映画が女優デビューにして初主演。はっきり言って演技はうまくないし、そんなに美人でもないけど、なんとも雰囲気を持っていて可愛い。レイチェル・ワイズやナタリー・ポートマンを向こうに回しても、存在感を見せてくれる。それも暑苦しいほど押してくるような存在感じゃなく、彼女のヴォーカルのように、ふわっとそこにたたずんでいる、みたいな。

そしてなんと言ってもこの映画は人間ドラマが見物です。ジュード・ロウや、ノラが出会ってすれ違った人々の人生模様。びりびりくるね。おいらの中では、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「マグノリア」と並んで、好きな映画です。

おいらを含めて観客が4~5人しかいなかったけど、これは多くの人に見て欲しい映画。

あと、公式サイトの紹介文はどれも的を射ていないので、あてにしないこと。