大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説とガンダムUCのブルーレイで、オーディオコメンタリーを聞いてみました。

ウルトラのほうはあれだね。まあ正直というか・・・「話題性」とか意識してることをあけすけに言っちゃってる。コアなファンには商売じみた発言は好まれないかも知れないけど、映画というものはまず映画館のイスに座ってもらわなければならないんだし、映画ヒットの秘訣は宣伝活動が大半を占めることを考えると、しょうがねえかな。正直すぎても客は逃げちゃうかも知れないけど。

それにしてもみんなウルトラ好きで仕事していることは間違いないので、そこはうれしい。岡部プロデューサーは好きだけじゃだめよ的な立場で発言しているのだろうけど、日本の特撮やキャラクターに誇りを持っているからこそ、きちんと世界で勝負できるフィルム作りを意識しているんだろうな。

ガンダムUCの方は、しきりと「これわかりにくいかな」「ちゃんと伝わってるかな」と言ってるんだけど、そこはまあ良いんじゃないかなと思う。細かい作り込みをやってるんだけど、その全てが伝わるようになんて考えちゃうと、ディテイルばかりに目がいって全体がわかりにくくなるからね。

あらためて見るとやっぱり「煮込みの足りないモツ煮」の感は否めない。コメンタリーを聞くとさもありなんと言う気もしてくる。なんというかやっぱり気を配りすぎというか、力が入りすぎな感じを受けるんだよね。

バナージへの感情移入があともうちょっとなんだよなあ。オードリーへの気持ちも最初っから好意を寄せている感じなんだけど、なんかノれない。だから中盤でカーディアスとオードリーを引き合わせたとき、「俺も力になりたい」と力説するんだけど、ピンとこないんだよな。「一目惚れ」って言っちゃえば済むということではなく、心情の流れがしっくりこないんですよ。むしろバナージは良い子ならではの親切心でオードリーに肩入れするんだけど、カーディアスと遭わせた途端「もう用はないです」と突っ返されたとき「なんだよ、せっかく・・・」と憮然とさせちゃえば良かったんじゃないか。で、帰されて一人になったときに、思い返してみて自分はオードリーに惚れているんじゃないかと気づかせる、とかね。

ただ、製作のプロセスにおいて、出来上がりを完璧に想定して作るなんて事は、まあプロとしては当然なんだろうけどやっぱり難しいことですよ。そこは2巻以降に期待ということにしましょう。