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「乙嫁語り」が犬なら、「ジゼル・アラン」は猫だと書いたブログがあったが、言い得て妙だと思う。

相変わらず乙嫁語りのハンパ無い描き込みに驚愕しつつ、19世紀中央アジアの日常をブレなく描く3巻。スミスさんの悲恋に思わず涙の必読書なり。

もう出ないかと思ったカルルクとアミルも健在でおじさん一安心、と報告しておくとして(誰にだよ)。

さて。ジゼル・アランの方はといえば、作者のこれが初連載作品だそうなのだが、驚いた。作者の笠井スイさんは同人誌出身。同じく同人出身の乙嫁語り作者・森薫さんと絵柄的にも近いものがあるし、師弟関係か、はたまた熱烈なファンで影響受けたか、と思わせるが、そうでもないらしい。

おかっぱパッツンのジゼルに萌え~の作風かと思いきや、この人は根っからの作家なのではないかと見えるのだ。

偏見に思えるかも知れないが、同人出身のプロには、ほんとにプロかと思えるような「自分のキャラ大好き、自分の世界観大好き」の、ガンダムSEEDの脚本じゃあるまいし、な作家も少なくない。それが悪いこととは言わないが、あきらかに見る側がシオシオになるケースがあるのでね。

そこへいくと、笠井スイさんにはプロとしての覚悟、みたいなものを感じるのだ。創作に対する覚悟。この人には「甘さ」も「甘え」も無い。あんまり「同人出身」を繰り返すとやはり偏見に聞こえてくるが、この人は「そもそもプロ作家になる人であり、同人を経由してきただけだ」と言えるかも知れない。まあ、同人を感じさせるファクターもなくはないが(美形キャラだらけとか、同性愛ネタとか)、おいら個人は許容できる範囲内。

画力に関しては、これからの人だと言っておこう。確かにうまいことはうまいが、森薫さん同様、年頃の男女しか描けない傾向がある。だが、マンガ家に関しては、画力とはキャラクターの描き分けだけではないと言っておこう。そんなこといったらあだち充なんかどうなるんだ、と実名は出せませんが思うわけで(しつこい?)。