う〜む、今回はちょっとご都合主義だったかな。

普通の作品ならこれでもいいけど、緻密な構成でここまできたスペクタキュラー・スパイダーマンだからこそあえて厳しいことも言いたい。

ヴェノムの侵食から、ベンおじさんの記憶を手がかりに脱出するピーターですが、ちょっときっかけとしては弱いと言わざるを得ない。フラッシュの一言がきっかけではあるのだろうけど。ピーターの自問自答だけで脱出しているのだからもう一つ「外的な要因」が欲しい。

「大いなる力には大いなる責任が伴う」という一言も、既にベンおじさんから聞いているはずなのだから、唐突に今回それが効いてくるのは違和感がある。もうちょっと伏線があった方が良かった。ピーターはこれまで何度もヒーローであることに疑問を持っているのだから、うまくすれば伏線にできたはず。加えてスパイダーマンをヒーローとして敬愛しているフラッシュを今回キーマンとして使えたはずなのだ。ヒーローたることを自覚するために。

ヴェノムの支配下から脱出することは、作品としての目的ではなく手段なのだ。それは「ヒーローとしての勇気と自己犠牲の精神の獲得」、そのための「自身をコントロールすること」、そして「利己的な欲求からの脱却」、それこそがヴェノムを狂言回しとした作品のテーマ表現であるはずなのだ。

あと、宇宙空間でも生きていたシンピオートを、低温にしたくらいで殺せるはずがないとピーターは知っていると思うんだけど、そのへんどうなの。

それと、研究費がカットされたからとあっさりエディを解雇する研究室もドライすぎると思う。ちょっと違和感があった。例えば代わりの仕事を紹介しようとしたのだけれど、行き違いでそれをエディに伝える前にあーなっちゃったとか、そのくらいの展開はこの作品ならできたはずだよなあ。

グウェン・ステイシーたまらーん!(ここ結論)