クルマ雑誌などを読んでいると、やれもっとショックアブソーバーに金かけろとか、ブッシュを見直せば振動や乗り心地のフラットさが改良されるとか、色々言いたい放題なわけですよ。それを読むと、ああなるほどとか感心したりもしますし、勉強にもなるのだけれど、一方で「アンタの言うとおりにすれば万事オーケーなの?」と思うのも正直なところなのです。

クルマを作っているほうもプロだし、日本車ですら60年の歴史もあり、蓄積された技術、ノウハウがあるわけですよ。評論家の皆さんの考えるようなことは作り手も考えてるんじゃないの?と思うのです。あるいは評論家さんの言うことを鵜呑みにすればいいのなら、アドバイザリースタッフとして参画してもらえばいい。河口まなぶ総監修とか。

野球解説者もそうですよ。プロ野球のテレビ中継であーだこーだ言ってますけど、じゃあその人がコーチとか監督になれば、選手のパフォーマンスを最大化できるのか、チームが強くなるのかというのはまちまち。原監督の前のジャイアンツ監督とか。

いまおいらが言っていることは、多分にイジワル発言であることは自覚していますが、正直な気持ち。だから評論家の言葉には、なるほどと思ったり楽しんだりはするけれど、全面的に信頼したりはしない。ノムさんは評論家時代も辛口だったけど、監督としても実績を作ったからいい。でも、そのレベルにある評論家がどんだけいるのかとね。

クルマを作る側からしてみれば、じゃあお前やってみろよと思う気持ちもあるだろうね。口にしないだけで。

評論とは「評することで論ずる」ものなのだから、評論によっていかに評論家たる自分を表現するべきなのだが、その域に達している評論家ってどれくらいいるんだろう。評論することで何かが生み出されるのが評論家なのだろうけど・・・