iPad発表以降、競合となるであろうネットブックとの間で、支持派、不支持派それぞれがケンケンゴウゴウしているみたいです。

健全な議論はあってしかるべきことなんだけど、どちらもトンチンカンな部分が見て取れて、もうひとつ見応えのある意見は出ていない気がします。

iPad派の意見としては、アップル側の人間の「ネットブック=クズ」なる意見を鵜呑み受け売りしてバカにする意見も少なくないけど、それはどうか?と思うのです。

そもそもiPadやネットブックが担うべき市場というのは、ケータイ(スマートフォン含む)とPCの間のギャップなのです。Webやメールやコミュニケーションツール(ミクシィやツイッター)だけならケータイで十分、もうちっとリッチなコンテンツ体験にはPCという棲み分けの中で、その中間という市場もあったわけで、そこを掘り起こしたネットブックはなかなか良いアイデアだと思う。iPadは後からそこに入り込んできたわけで、「後出し」のiPadの方が優れているなどという意見は当たり前と言えば当たり前のこと。そこを真に受けていてはいけないのではないでしょうか。

ネットブックは、既存の技術としてPCを「その中間」の市場に適応させてきたことでローコストを実現しているのであり、それをクズ呼ばわりというのは的を射ていないでしょ。

一方、iPadにマルチタスクやFLASHが無いことをだめ出しする意見も多いけど、それも違うな、とおいらは思うのだ。まさしくケータイとPCの中間が求められる試乗としては、「画面のでかいスマートフォン」というiPadで十分という考えには賛同できるし、ネットブックは既存のPC技術の流用で生まれたものなのだから、そこまでは必要ない機能というものもあるわけですよ。

つまりケータイが軽自動車、PCが普通車と考えれば、「軽自動車よりも荷物が積めて、高速道路も安心して走れる走行性能があって、しかしフルサイズの乗用車ほどでかすぎず燃料も食わず、せまい都市部でも取り回しがしやすいクルマ」という市場なのだ。人によってはダイハツ・タントみたいな「でかい軽自動車」でいいかもしれないし、ホンダ・フィットみたいな「小さい普通車」がいいというかも知れない。

iPadとネットブックの違いはその程度と考えて良いし、お互いがこきおろししあうような、品のない論争など、端から見ていても「目うんこ鼻うんこ」でしかないです、はい。