テレビやFMラジオで目に耳にする機会の多いエコ関連の啓蒙CMですが、あいかわらずトンチンカンな内容で首傾げっぱなしです。

サラリーマン風の男が、心の中で「ゴミ分別なんて意味ないでしょ」とつぶやきつつゴミ出ししていると、「そんなことないよ、うれしい」と「地球の声」が聞こえるというもの。ゴミと環境というリアルな問題に対し、こんなファンタジーで果たして訴求するものがあるのでしょうか。

大量のコピーをしながら、「時間がもったいないもったいない」といらつきつぶやくOLに、「紙だってもったいない、両面コピーを」とナレーション。ご存じかと思いますが、両面コピーは片面コピーより時間がかかります。したがって完全に論点がずれてる。時間がもったいないという人に、資源がもったいない話をもちこんで説得できるのか、大いに疑問です。

極めつけはアイドリングストップのCM。開かずの踏切で待たされ、こちらもいらつく女性ドライバー。やはり時間がもったいないという彼女に、「ガソリンももったいないからアイドリングストップを」とナレーション。これはダメです。危険すぎます。このCMは即刻中止した方がいいと思います。

路上でのアイドリングストップは、マツダ・デミオのような自動で対応した機構を持つクルマでなければ、やるべきでありません。再始動時にエンストする可能性があるので、路上においては危険きわまりない。まして踏切では、線路上でエンストする事を考えると・・・

手動によるアイドリングストップとは、たとえば短時間の駐車でもエンジンは切りましょう、という意味合いのはず。

意気込みの現れなのか使命感なのか、はたまた環境問題の現状からくるあせりなのか、トンチンカンを通り越して危ない領域に入っちゃってる感のあるエコCMなのでした。