今回はよくあるエピソード「ベン10対ベン10」。というてもすぐに正体はばれます。それによくあるネタのわりには展開が新鮮で飽きさせなかったのはすばらしい。

今回の演出は非常に興味深かった。実はHEROMANは第2話の開始5分で見るのをやめちゃったんです。次回以降も見るかは微妙・・・なんか見てるうちに胸焼けに似た感覚があったのですよ。理屈じゃなく見続けるのがツラくなったのです。

グレイマター族の若者アルビードが、なんやらわからん理由でベンそっくりの姿に。そして問題行動を起こしてはベンに疑いがかかる。といってもベンがエイリアンヒーローであることを知っているグウェンとケビンにだけですけど。

日本アニメならこのネタだけで1話引っ張りきるだろうし、ベンの立場が悪くなったところでケビンあたりが「信じてたぜ」とか根拠のない友情パワーで逆転したりなんかするんじゃなかろうかとね。

ところが序盤で2人のベンが対峙する場面を作っちゃう。このあたりでアメリカアニメひとあじ違うなあ、と思わせられるのだけど、面白いのはそのあと。

絶対にグウェンあたりのセリフで「べ、ベンが2人!?」とか言わせないのだ。というかそのリアクションも無し。あるいはベン自身が自分そっくりのアルビード相手に「ぼ、ぼくがもう一人!?」とも言わせない。厳密に言えばグウェンもケビンも呆気にとられていた、という芝居付けなんだろうけど、2人のベンが対峙する画ヅラだけでどんどんシーンを進めちゃう。視聴者には「見りゃわかるでしょ?」と言わんばかりに。

アメリカアニメはこういう傾向が強いように思う。というか今回でそう気づかされたんだけど、あまり周囲のキャラにリアクションをさせることで説明的になることを避けている気がする。それよりも次の展開を一歩早く見せることで視聴者をリードしている。

もしグウェンたちにベンが2人いることをリアクションさせたいなら、冒頭のベンが永遠の騎士団相手に「ベン・テニスンはどこにいる?」というセリフを言ったりしないはず。視聴者にはこれで偽物ベンの存在が印象づけられているので、あとあとグウェンたちにリアクションをとらせるとクドくなるという判断なのだろう。

作品とは決して「答え」を提示するものではなく、「問い」を提示するもので、その答えは見る者の心の中に実を結ぶものなのだと思った次第。

HEROMANはアメリカアニメを見慣れたおいらにしてみれば展開ももたついてるし、テンポが悪く感じられたのだと思う。もったいつけずにこっちが見たいものを見せてくれ!と感じてしまったのだ。

まあ、これが日本とアメリカの違い、と言うわけではないと思うが、少なくともおいら的には、ベン10エイリアンフォースは「アリ」、HEROMANは「ナシ」になっちゃったんかんじ。

今回もグウェンが無印っぽかったなあ。ちょっとしたひとこととかが。