フェアトレードとその発想の応用
アニメ, 総合 4月 8th, 2008 at 20:50:47フェアトレード(Fairtrade)という考え方がある。日本語に訳すると公正取引となるが、日本でいう公正取引と、昨今のグローバルな定義でのFairtradeは意味が異なる。
たとえば発展途上国の生産品を意図的に、また継続的に買うことで、途上国を支援しようという考え方である。つまり価格や品質、経済効率だけでモノを選ぶのではなく、「支援」が前提にあるということである。自由経済と資本主義の考え方だけであれば、競争力のないものは負け組にはいるしかないことになるが、それでは途上国の貧困化が進むだけであり、結果的に政情不安や紛争の火種になりかねない、それはグローバルな視野で見れば損失だ、という発想なのである。紛争が無くなれば自衛隊派遣しなくて済んだり、公的資金の支援投入が無くなる、と言えば想像がつくだろうか。
と、まあ話の風呂敷が広がっちゃってしまっちゃって困っちゃってもアレだが(ひどい日本語)、この考え方っていろいろな分野に適応できると思うのですよ。
たとえば、アニメ好きの皆様方は新作アニメを次々見たい、とお思いでありましょーが、作り手を支援する考え方もあって良いんじゃない?というものなんですよ。動画サイトやらなんやらでアップロード・ダウンロードしまくりで、タダ見が横行すると、制作側に十分な資金の回収ができなくなり、続編や次回作が立ちゆかなくなる、ということは賢明な皆さんなら想像がつくことでありましょう。好きな作品ならDVDを買う、グッズを買う、と言うことでも良いし、無理しない範囲で自分にできる支援をする、それが結果的には制作側に新作・次回作を作る援助になるのであれば、ということなんですよ。
また、ディズニーチャンネルやカートゥーンネットワークを見ていて、ステーションマークと言われるロゴが画面の隅に、ディズニーなどは画面の下1/4くらいにデカデカと入っているのを、「アレ、じゃまだから外せ」という意見もあることでしょう。気持ちはわからないではないですが、アレは海賊版対策として入れてあるので、海賊版が横行して局の収入を圧迫し、新作の買い付けや製作に影響が出ることを考えれば、ある程度受け入れることもフェアトレードではないでしょうか。もちろん、あるべき姿を議論し、訴えることも重要でありますが。
それと、スカパーのような契約チャンネルの場合、アバターにせよベン10にせよ、新作新作と次々放映されることを望む声もわかりますが、片っ端から新作を流し続ければどこかでそれがとぎれる時期はあるわけで、そのときに解約されてしまっては、これまたチャンネルはつづけられなくなってしまうのですよ。解約されないこと、継続的契約を確保することが、チャンネルにとっては死活問題なのです。おいらはスカパー加入歴10年を超えるのですが、その間にいったいいくつチャンネルが現れて消えていったことか。ディレクTVにいたっては、母体そのものが消えてしまったのですから。
フェアトレード的な考え方、お客さん自身が作り手を支援し、「見たい作品を作り続けてもらうための支援」という発想が、あってもいいのではないでしょうか。
「おいら宇宙の探鉱夫」という1994年のSFアニメOVAがありますが、当時は若手で知名度はいまいちながら、今ならびっくりするようなスタッフが集結しているんですね。しかしながら全6巻の予定が2巻で製作終了、未完のままという、ま、打ち切りだったわけですが、当時のスタッフの話によると、売れなかったことが最大の原因であったということです。でも、一番気になったのが、あるスタッフが知人に「見てみたいんだけど」と言われて、「ビデオ買ってくださいよ」と答えたら、「じゃいいや、見なくても」と答えられたそうで。もちろんそこで、「金を払っても見たいと思わせる何かが足りないのだ」と言われればそれまでですが、「見たいものに金を払う」ということの意味がどこまで理解されているか、という疑問もあるわけですよ。
動画サイトで「タダで見られるんだから何がワルイの?」というご意見もありましょう、人それぞれ考え方は色々です。でもそれは非常に刹那的ではないでしょうか、本当にあなたの望むものが「継続的に」得られるでしょうか?と言うことなのです。テレビにしても、タダで見ているようでいて実はスポンサーを挟んでお金を提供しているといえるわけですから。

