やっぱりおかしいMac持ち上げ記事
PC, アップル, エレクトロニクス No Comments »どうもこのところ、PC系サイトの「Mac持ち上げぶり」がうさんくさく感じてきた。
http://ascii.jp/elem/000/000/130/130165/
上のリンクの記事には、4月26日のヨドバシマルチメディアAkibaのMac売り場盛況ぶりが写真付きで報じられています。まさにこの日、おいらも秋葉原にいたのですが、秋葉全体は確かにお客さんが多かったし、ここのMac売り場もにぎわっていましたよ。でも、1階下のWindowsパソコン売り場はこんなモノじゃなかった。まさしく立錐の余地も無し、ラッシュ時の新宿駅みたいで、目当てのパソコンの前にもたどり着かない。Mac売り場は混んではいても歩けないほどじゃなかった。明らかに差があったのです。
この記事が気になったので、ついでもあって本日、ヨドバシAkibaに行ってきました。さすがに4月26日ほどの混雑はありませんでしたが、明らかにMac売り場よりWindows売り場の方が人口密度は高かった。相変わらずMacBook Airの前には人影無し。
Macが売れまくっているのなら、ファンとしてはうれしい限りではありますが、PC系マスコミのMac持ち上げっぷりは正直言ってかなりあやしい。裏に何か事情があるんじゃないかと勘ぐってしまうほどです。事実、Macの売り上げやアップルの成長は経済ニュースでも取り上げられますし、ポルシェなみに利益率の高い勝ち組企業と言っても過言ではないでしょう。しかし、自動車マスコミがポルシェを褒め称えたり持ち上げたり、コンペチターをこき下ろしたりすることはありません。自動車マスコミの方が成熟しているからでしょう。
かつてはMac専門誌やパソコン誌でも、Mac系のライターがWindowsやPC/AT互換機(懐かしい響き)をこき下ろす記事を書きまくっていた時期がありました。おいらはPC Fanという雑誌で「Windows、死んでしまえ」と書いた記事を読んだことがあります。今だから笑える話として、PC/ATへの対抗心からか、インテルCPUをぼろくそにこき下ろし、アップルの「カタツムリ」や「バニー炎上」などのCMを放送していたのに、現在のMacはインテルCPUを「退屈なPCから解放した」などと手のひら返しを平気でやってる事実。アップルもMac系専門誌も、昔からずいぶんおかしなことを書いてる。
さすがに最近はこき下ろし記事は無くなりましたが、PC系サイトでのMac提灯記事には、どこかに意図的な匂いを感じるのはおいらだけでしょうか。
Macは確かに売れています。それは音楽やビデオなどの分野に強かったり、iPodとの絡みで人気があるというのも事実でしょう。しかし、おいら的には決定的な条件として、「MacにもMS Officeがある」ことは見逃せないと思います。
ワープロや表計算の分野でデファクトとなったWordやExcelが、「Macでも使える」ことがMac購入者の背中を押す最後の条件なのではないかと。ということは、肝心な部分をマイクロソフトに握られているわけで、アップルが勝ち誇るには地盤があまりに他力にすがっていないか。
一方で長くMacワープロの分野でがんばってきたEG Wordが撤退するなど、Macらしい部分がどんどん無くなってきてるのじゃないか、そんな気配すら感じるのですよ、おいらは。
あと、Vistaの評判が芳しくない現在の状況においては、Macがつけいる隙は十分すぎるほどあるというのに、その割には巻き返しの勢いは現状でも物足りないと思います。それに、本当にMacが売れているのなら、たぶん藤井フミヤあたりがMacBook Airでもとっとと買っているでしょうから、「毎日持ち歩いて使いたおしてる」記事でも書けばいいのに、上記のascii.jpみたいな記事や、PCライターの私見やレビューくらいしか「売れてる」アピールがないのは、なんだか手前味噌過ぎる気がするのですが。
そういえば、かつての月刊ASCIIは、PC系雑誌にしては珍しくMacに厳しい記事が多かった記憶がありますがねえ。上記の記事はMac People編集部が書いてますけど。
そうそう、Mac専門誌といえば、Mac Fanの2007年1月号で大々的に「Mac OS 9からOS Xへの移行計画特集」をブチ上げたは良いけど、その内容と言えば、11件のケースにおいて移行を決断したのが1件、条件が整えば移行できそうなのが3件、あとはほとんど現状維持(or完全ダメ)だったという、特集の意味があったのかと言いたい体たらくだったのが悲しい。挙げ句の果てには(OS Xへの移行を渋る職場に対し)「数字的なメリットを述べても反応しないようだったら、転職も考えた方がいいかもしれない」などと、ぶち切れてんのかと思える文言を書く始末。かようにMac系マスコミはなんだかおかしなことになっているように思えるのです。