本日もまたシアターVアカサカ。なんでまたという貴兄よく聞けい。

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そう、アルターエゴ公演The Pleasuredomeをまた観にいったわけさ。だが、単純に同じ舞台を2回観たというわけではない。

3/20公演は「All Boys Company」、つまり男性のみのキャストだったのです。本日は「All Girls Company」、女性のみのキャスト。同じ脚本を男性だけ、女性だけという2バージョンの完全ダブルキャストで公演したということなのです。多分に実験的な企画だと思うし、90分というコンパクトさも、やや薄いドラマ性も無理も無し、という感じでしょうか。両方観てみて、初めてその味わいがわかるというか。

もちろん内容は同じ。今回はシンギョウジマサコと血のつながらぬ娘ツグミのお話。ストーリー自体は一度観ている、というせいか、今回の方が演出意図がよくわかった気がします。反面、絵ヅラの「熱さ」は男性キャストの方がヒシヒシと感じました。男性ゆえのダイナミックさのせいでしょうか。

おいら的には、ゲイに対しても性差に対しても偏見は無いつもりなのですが、同じテーマを男性で描くのと女性で描くのとでは、全く感じ方が異なるというのはやはり、どこかで「違い」に対する先入観や偏見があるからなのでしょうか。

ゲイであり愛されることへの渇望、つきようとする生命の焦り、この「身につまされ方」が、男性版の方が圧倒的にぐっと来たのです。おいらが男だからなのか? 女性版のシンギョウジマサコ役、香坂千晶さんが、あまりに美しく気高い、りんとしたたたずまいのせいで、なんか死にそうな感じがしないからかも。あれだけきれいなら愛されないなんてことはないだろうに、という思いもあるのやもしれませんな。そこへ行くと三ツ矢さんの方が・・・おっとっと失敬。

女性の同性愛の方が、背徳感が薄く感じたというのもおいらなりの偏見かも。男性版の方が救われなさ、切なさが強く感じられたのですよ。

芝居は両バージョンともしっかりしてました。ダンスもかっこよかったし。ただ、やっぱりもっとドラマを掘り下げて欲しいし、おのおののキャラクターの人間をしっかり描いてもらいたい。その上でえぐるような感情のほとばしりを刻んでこその舞台演劇だしね。

アルターエゴらしさは十分に味わえました。薄味だったけど。

追記:前回ユキナリと書いたキャラはミツナリだった気がします。ちゃんとパンフレット買うべきだったな。やっぱし。