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というわけで、このプログを読む人には需要があるのか無いのかわからないジャズコーナー!

デイブ・ダグラスといえばもともとフリージャズ出身の人らしいが、そのせいか「アンサンブルとか知らねーよ」的に各メンバーが好きに演奏し、かといってただのデタラメにならない(各人が他のプレイヤーの演奏を良く聴いている)のがすごい。予定調和の演劇ではなくディベートに近い音の交流という感じでしょうか。中でもデイブ・ダグラスのトランペットがかっこいい。芸術性と原初的な音楽のパワー、色彩感という点で、いま現在のジャズシーンにおいて、かなりの高みに達していると思う。

このアルバムは中でも異色で、ドラムス以外は全て金管楽器。トランペット、フレンチホルン、トロンボーン、チューバと言う編成は、ジャズが元々マーチングバンドの管楽器の払い下げで編成されたジャズのルーツに根ざしてるのでしょうか?

これがまた違和感がない。ジャズと言えばイメージするウッドベースとかピアノがないし、和音楽器がないからメロディだけで構成されている音がかなりユニーク。管楽器編成だからと言ってニューオリンズ的でもないし。

でも決してキワモノでもなく、各プレイヤーがおのおのインタープレイを楽しみつつ、ちゃんと和声も独特なものを感じさせる。かなり昔にギタリストのスティーブ・カーンが「Eyewitness」と言うバンドで、4人のメンバーがフリーに演奏してるうちに音楽理論では説明つかない和声を(偶然?)演奏しちゃってるなんていう神がかったインプロヴィゼイション(即興)を披露したことがあったけど、それに近いものがある。このアルバムのほうが神経質にならず、もっと奔放な感じがしますけどね。

デイブ・ダグラスは、大衆に迎合しない、辛口吟醸酒みたいな「わかる人だけついてきてー」的なかっこよさがいい。いつものバンドも良いけど、今作は今年のさかえさん的ベスト作候補にあげておきましょう。