天王洲銀河劇場にて舞台「天聖八剣伝」観てまいりました。

最近さかえさんはきだつよし作演出ばかり観ている気がするなあ。

天王洲アイル駅でおりて徒歩数分。銀河劇場はこのへん(雑)。

天王洲なので近所にこんなのも

さて、舞台の方ですが、旬のイケメン俳優がてんこもり(女優不在!)なので、女性客ばっかしでしたよ。おいらとかお父さんなひととか居場所がなさげ。

お話は明治、武士の時代が終わってしまった時代。かつて天聖と呼ばれ、都の悪霊を祓う戦士たちも、戦いの場を失いつつあった。天聖とは代々、血によって受け継がれる特殊能力を持つ戦士で、その肉体から剣が発現するのだ。

ひょんなことからその能力に目覚めた孤児の青年・絢人。彼は子分の見影とともに能力によって盗みを働き、貧しい民に振る舞うという義賊を気取っていた。だが東京に再び悪霊がはびこる気配があり、天聖の長たる陰陽師・剣持は絢人に、能力の正しい使い方をさとそうとするが・・・

2時間5分の上演。そんなに長いわけでも無いけど、途中10分の休憩を挟む2部構成。やっぱ殺陣が激しいので疲れるのかな?

しかしその殺陣がどうにもキレが良くないので、魅力も半減。若い役者さんたちの熱演は体育会系さながら爽やかな好演を感じさせるが、やっぱ見せ場である殺陣をもっときっちりやって欲しかったかな。

やや広い劇場なのでPAを使っているのだけど、セリフの抜けが悪く、何言っているかわかりにくいところがあった。舞台役者じゃない人も多かったから役者の発声にも問題があったかも知れない。けど役者さん自体は良い味出していて、おいら的には満足。ダイアモンド☆ユカイさんはミュージシャンなんで、決して演技がうまいわけではないのだけど、存在感も雰囲気もあった。

森久保祥太郎さんの怪演も面白かった。芝居は安定しているし、コメディリリーバーなのに舞台がぴしっと締まる感じ。

欲を言えば、きだつよし演出にしては笑いが少なめだったかなー。普通の舞台ならコレでも良いけど、きださんには期待してしまうからね。

若手の中では戸谷公人さんがいい。難しい役所だけど、ちゃんと葛藤や人間の暗黒部分を演じきっていたように思う。技術的には不足も多いのだけど、舞台演劇は「熱」が大事ですからね。

そして主役の相葉弘樹さんも、テンション高い役柄を息切れせず走りきる感じは素晴らしい。「彼の真っ直ぐさに周囲がどんどん引き込まれていく」という文字通り主役のキャラクターなんだけど、うそくさくなく爽やかに演じきっていて好印象。見た目は優男なのに豪胆な感じが出てた。

欲を言えば途中の展開がテンポ良くなかったし、説明的な構成が気になったのは残念ポイント。それと主役の描き方が演出的にもうちょっと押しても良かったと思う。肝心の「自分が信じたことに迷い無く突き進む」というキモの演出をもっと明確に描ききって欲しい。

でも、前半はちょっとぬるい感じだったけど、2幕以降はぐいぐい引っ張ってく感じが良かった。ちゃんと人間ドラマを描きこんでいたし、見る価値はあります。