ディズニー、プリンセスムービーとの決別
アニメ 11月 24th, 2010 at 23:05:33http://articles.latimes.com/2010/nov/21/entertainment/la-et-1121-tangled-20101121
↑↑↑ 3ページにもおよぶ英文の記事ですが、読み応えがありました。
各所で驚きを持って受け止められている、ディズニーのおとぎ話映画からの撤退宣言ですが、当初はにわかには信じがたかった。
が、この記事を読んでみて、これはディズニーだけの問題ではない、と考えさせられました。
「プリンセスと魔法のキス」がコケたことで、ディズニーにとっては時代の変化をいやというほど感じざるを得なかった。なぜ、ラプンツェルをあつかった映画のタイトルが「Tangled」になったのか。(邦題では「塔の上の~」と名前が復活していますが、)原題でラプンツェルの名前が消えたのには意味があった。「プリンセスと魔法のキス」という、カエルに姿を変えられた王子様がプリンセス(じゃないけど)のキスで、という典型的なおとぎ話が受け入れられなかったことで、方向転換を余儀なくされたと。ラプンツェルの映画化は、準備していたそれまでのプロットをすべて捨て去り、プリンセス・ムービーをやめた。男の子にもアピールするストーリーに作り替えたのだと。
「エレメンタリー・スクールに通う少女が、ティアラをまとったお姫様にあこがれるなど、もはや幻想なのだ」と。
つまり少女向けのマーケティングが、プリンセス・ムービーでは限界だと、少なくともディズニーは判断したのです。
古き良きディズニーを愛してはいるが、我々は新しい方向性を探るしかない。それがディズニーの決断ということのようです。良い悪いは人それぞれの見方で異なるでしょうが、ディズニーですら生き残りをかけざるを得ないんですね。
マーベルを買収したことも、これでつながるような。
女の子が王子様に守られるお姫様などではなく、自ら剣を持って闘う戦士として描かれるアニメは少なくありませんが、ディズニーですらその影響から逃れられない、という時代になったのでしょう。
でも、個人的にはむしろこれで「Tangled」にさらなる興味がわきました。正直、なぜいまラプンツェル?と思ってもいましたが、「塔の上のラプンツェル」は、アクションムービーになるのだと。そのための3Dだったのです。
11月 25th, 2010 at 0:48:21
美女と野獣なんかは、ただの王子様を待つだけの女性ではなくて、
自分の夢を求める女性として十分魅力的に描かれていたと思いますけれどもにゃー。
プリンセスと魔法のキスは未見ですけれど、
あれの敗因は、魅力を感じないプロット(タイトル)とキャラクターデザインにあったのではないかと……人助けでもカエルにキスしたいと思わないでしょJK。
あとは結局、シナリオでしょうかね。
お姫様が下水管から出てくる話とか、感情移入もへったくれもなかったもの。
「あれ、魔女がドラゴンになる必要なくね?」って根本的な部分にツッコみが入っちゃうのもナンダカナーって感じで。
11月 25th, 2010 at 1:03:31
なるほど。
しかし、そのためのピクサー、そしてマーベル、さらに今はジム・ヘンソンも抱えているし、ギレルモ・デル・トロによる「Disney Double Dare You」というアクションものアニメブランドも作り、しかも、「スパイアニマルG-FORCE」とかも別で作ってるのになあ。
・・・と、それぞれに住み分けして丸くおさまったと思ったのですが、本家本流のディズニーブランドの作品がそれらと並ぶ、いや越えるようでないとダメだという判断なのかもしれませんね。
カエル姫も興行一位をとったこともあり十分にヒットしたと思われたんですが、予想収益よりもずっと低かったんでしょうねえ。
一時男の子向けも意識していろいろ試行錯誤していたものの、低迷し、王道復興が言われていた中、やってみたけどうまくいかず・・・常にトップでいるべきだというプレッシャーは想像以上に大きそうです。
フェアリーテイル=プリンセスもの=女子向け では無いとは思うけど、ディズニーほどになるとこのくらい強く宣言しないとダメなのかも。
新しいイメージを作り出せるくらいの作品が生み出せればそれにこしたことはないのですが、でもそういうのは別のブランドで作ってるだろうに・・って、ああやはり色々と悩ましいです。
11月 25th, 2010 at 21:12:43
本件はいまだ日本国内で報じられてはいないようですが、宮崎駿監督あたりが、どのような反応を見せるか知りたいです。
そもそも児童文学が洋の東西を問わず冒険ファンタジー一色になる中、アニメ原作になるほどのおとぎ話がどれくらい残っているかも原因の一つじゃないかな。
>やまぐちりょうたさん
「ムーラン」がディズニーには珍しくと評されたように戦うヒロインものだったけど、あれがプリンセスムービーかどうかは微妙ですねえ。
結局、世界のアニメにおけるヒロイン像を一変したのが、明らかに「セーラームーン」だと考えると、師匠にも責任がないとは言えまいて(笑)
ま、冗談はさておき。
「魔法にかけられて」は、ヒロインの物語ではなくて、あのパパ弁護士の物語ですよ。プリンセスもののパロディを標榜しつつ、でも「大人も夢見ていいんですよ」的なテーマ。
まあしかし、おいら的にもラストの魔女ドラゴンはいらなかったかな。もっと人間くさいラストでよかったのでは。それこそあの魔女が愛や夢に目覚めるとかね。
この映画、おいらが一番好きなのはアニメパートだったりします。
「美女と野獣」もそうだけど、時代とともにヒロインの描かれ方も徐々に変わってきて、ここに至ったということなんでしょうか。
ディズニーの決定、日本におけるゴジラに通じるんじゃないでしょうか。作る側も見る側も、マニアしか集まらねえ、ジャンルムービー化しちゃったみたいな。
>スカポン太さん
別件で書いたことだけど、ウルヴァリンが映画だとタイツ姿じゃないことにも通じて、アメリカって子供っぽいものをさけたがるきらいが見え隠れしますよね。良くも悪くもリアル志向で、3DCGに猫杓子なところもそんな感じ。
たぶんこういうステートメントって、出資者にアピールしている部分が少なくないと邪推します。「2Dアニメ?そんなモンに金出せるかい!」とかいう輩がいるんじゃないかと。
今回の決定については、まあいろいろあったんでしょうとか綾鷹(=にごり茶)なことしか言えませんが、わざわざバリエーションの一つをつぶすこと無いんじゃない?と言いたいですけどね。そうせざるを得ない何があったんだか。
こうなったらディズニージャパンで、おとぎ話を2Dアニメでバンバン作っちゃえば。