シリアル・ハイブリッドは出ないのか
クルマ・バイク 7月 11th, 2008 at 21:17:00プリウスをはじめとするハイブリッド・ドライブカーは市民権を得ましたが、実はハイブリッドにはシリアルとパラレルの2種類があるのです。
プリウスなどの現在販売されているハイブリッドはすべてパラレル。
動力源が複数あり、その組み合わせで走らせるクルマをハイブリッド・カーと言いますが、内燃機(エンジン)と電気モーター、そのどちらも車軸を駆動する役目をもつ場合、これをパラレルといいます。これに対しシリアルは、エンジンはモーターの電力を発生させる発電機としてだけ使い、車軸を動かすのはモーターだけです。
そこに何のメリットがあるのか? 実はエンジンは「一番チカラの出る回転数」をキープしている間が「一番排気がクリーン」なのです。
つまり、ガソリンなどの燃料の燃焼効率が一番高い回転数のときが、熱エネルギーを効率よく動力に変えられるため、ガソリンの燃え損ないが窒素酸化物や二酸化炭素にならないのでクリーンなのです。
しかし、実際に町中を走るクルマの場合、スピードを一定に保てないし、信号待ちを含めてストップ&ゴーが多いと、エンジン回転数も一定を保てません(ギアでスピードを変えるのは苦肉の策)。エンジンを発電のためだけに使えれば、よくお祭りの出店の綿アメ屋などで見るガソリン式発電機、あれのように回転数を一定に保てるので、ガソリンを効率よく燃やせて燃費も良くなり、排気も限りなくクリーンにできると。
しかしながら実際にシリアル・ハイブリッドカーが実現しない理由は何なのでしょう。機械的な信頼性が劣るのかなあ。たとえばバスなどのように市街地を走る公共交通では、排気がクリーンだし、既存の車体に動力源だけ置き換えがしやすくコストを押さえられるシリアル・ハイブリッドは有利だと思うのですが。
10月 10th, 2008 at 19:57:41
通りすがりのモノです。
シリアルハイブリッドは、色々なメーカーで開発が進められています。
そのメリットは効率の良さ。
仰る通りにエンジンの一番おいしい所を使うことができるのが1点、
電動モーターはエコランレースの走り方と同じ動作を自動的にやってのけることができるというのが1点。
そのメリットがあまりにも大きいのです。
デメリットは、電動モーターのパワーを出しにくいこと。
新幹線のように巨大なモーターで高い電圧をかければものすごくスピードが出るのですが、そんなに高い電圧をかけると感電の危険や引火の危険が増えていくので、あまり無茶はできません。現状ではHIDの方が高電圧ですけどね。
モーターの大きさは重量に直結するので、これもあまり無茶できません。
ただ、アウターローターモーターのように、モーターの外周ギリギリを力点にする方法もあるので、まだまだ可能性はあります。
来年からF1もハイブリッドになるので、その辺のメリット・デメリットが明らかになってくると思いますよ。
10月 10th, 2008 at 21:12:54
なるほど、詳細なご意見ありがとうございます。
電気系・機械系ともにさらなる技術革新が進めば、モノになるかもしれませんね。
今のハイブリッドおよび電気自動車は、モーターをエンジンの代替としてしか見ていないと言う意見もありますし、大胆な発想の転換でも生まれれば、と期待します。
11月 19th, 2008 at 10:56:57
通りすがりです。
差し出がましいと思いましたが文面に聊かの謝りではないかと思われる項がありましたのでお知らせさせていただきました。決して気を悪くされないように。
初めに、現在ハイブリッドのシステムは2種類ではなく3種類ありまして、内容としましては、シリーズ(シリアル)、パラレル、そしてスプリットに分類されています。また、プリウスはパラレル・タイプではなくスプリット・タイプで、パラレルの方式を取ってるのはホンダのインサイト、シビックがあります。
そして、余談ではありますが、トヨタ方式の方はインバータにモーターとは別に発電機を有していますが、それでも燃費はホンダ(シビック)に比べるとリッターあたり4kmほど良いようです。
それでは。失礼しました。
11月 19th, 2008 at 21:30:01
なるほど、勉強になりました! パラレルとは違い、エンジン出力を機械的に駆動と発電に分けてしまう(スプリットする)訳ですね。ありがとうございました。