逃走するマーティー、エリー、ボタンズの前に立ちはだかるは、オレンジマダムの部下ホッケーロボ。追い詰められたマーティーを救ったのは、決勝でマーティーと戦うはずだったトニーだ。

ホッケーロボをあっという間に退けるトニーだったが、すっぽかされた決勝の決着を迫り、マーティーはふたたび危機に。戦いを渋るマーティーに、トニーはエリーを危険に陥れることで、決闘をけしかける。巨大なコンテナに押しつぶされそうになるエリー! そのとき、マーティーはアイアンキッドに変身した!

いやあ、燃える! 少年向けアニメはこうでなくては。危機一髪でエリーを救い、お姫様だっこですよ! ちょい微妙な演出は相変わらずだけど、アイアンキッドに変身したマーティーのアクションはスピーディーで良かった。アイアンフィストのパワーとマーティーの知恵、エリーたちのチームワークでトニーを撃破!

今回はアイデア満載でテンポ良いアクションが素晴らしかった。ドラマ部分も良かったし、今回のエピソードはこれまでとは出来がだんちがいに良い。エリーに置き去りにされ怒るジェニーお嬢様だったが、マーティーが父を捜してここを脱出しようとしたことを知ると、一転して脱出を手伝うことに。彼女自身の親が恋しい気持ちと、エリーを慕う気持ちがそうさせたのだ。

ジェニーに導かれ、ようやくオレンジバレーの出口にたどりついたマーティーたちだが、そこに立ちはだかるオレンジマダムの部隊。絶体絶命のマーティーだったが、倒れたはずのトニーが暴走し、ジェニーが危機に陥る。それを救ったのはマーティー/アイアンキッド。賞金に目がくらんだことで、孫娘を失うところだったオレンジマダムは、これまた一転してマーティーたちに味方する決意を。ここ、ちょっとご都合主義だが、オレンジマダムの行動原則は全てがジェニーありきであり、まあアリかなと思わせる。

そこへ現れたのはアイアンタワーの部隊! アイアンフィストとエリーを奪いに来たのだ。オレンジマダムは孫娘の命の恩人を救うため、オレンジバレーとアイアンタワー、ロボット部隊どうしの決戦の火ぶたが切って落とされる。鉄塊と鉄塊のぶつかり合い! ここ、大迫力でまたしてもシビれた!

そのさなか、行方不明だったジョージおじさんが、マーティーたちを助けに現れる。アイアンタワー部隊は秘密兵器・磁力砲でマーティーたちを乗せたジョージのクルマを捕らえるが、オレンジマダムも秘密兵器ロボット・ギガスでアイアンタワー部隊を退ける。退却するアイアンタワー部隊。

戦いは終わり、ふたたびオレンジバレーに連れ戻されるのか、と絶望のマーティーたちだが、オレンジマダムはマーティーたちに2台のギガスを与え、これで砂漠を越えろと告げる。

オレンジマダムは、数々の戦いで、マーティーがアイアンフィストを使いこなしつつあることに気づき、彼が正当なる「継承者」であることを悟ったのだ。かわりに、ジョージにオレンジバレーに戻れと言う。ジョージは格闘大会の初代チャンピオンだったのだ。

恩人ジョージ、オレンジマダム、そしてジェニーに別れを告げ、マーティー、エリー、ボタンズはギガスを駆りふたたび旅に出る。だが、それを見送る不気味な影、それはライマーに雇われた殺し屋ファントムだった。

第10話にして、これまでの「いいとこいってるんだけど、もどかしいな」と思わせる懸念を吹っ飛ばす傑作でした。この先もこんな感じでぶっとばして欲しいですな。