第一のゴールドアイランドを後に、次なる島へ向かうジンたち。航海日誌によるとそこは「恐怖のトンネル」を抜けた向こうにあるという。それは巨大な渦潮の底であり、まるで竜宮城のような、色とりどりのサンゴ礁に包まれた島・クジラ島だった。

クジラ島に着いたとたん、青空や雲の描写が書き割りみたいになった(笑)。これは本物の空ではなく、そこが海底にある空間と言うことなのかも知れませんね。ほんとに竜宮城かバイストン・ウェルみたいな。

クジラ島の住民はなぜか服を着たブタちゃんだった。そこに現れた人間は一見せくしいな熟女海賊のローズ。漂う昭和の香り。ジンとリバシに、持ってるものを全て差し出せと言う。さらに現れたもう一人の人間、プレスリーもどきのスワードもまた海賊。ジンたちをほったらかしてローズとスワードは小競り合いを始める。ローズが謎の光線銃をあたり構わず発射すると、その流れ弾に当たったジンが、なんとブタに変身した! どうやらこの島のブタはすべて、ローズに姿を変えられた人間だったようだ。

ジンたちを追ってクジラ島にたどりついたシルバとクールキャット。だがシルバもまたローズにブタにされてしまう。クールキャットはシルバを元に戻すべくリバシと休戦し、ローズの家へと向かった。クールキャットのシルバ好き好きぶりが微笑ましい。見た目のクールさと裏腹にかわいらしいんだよな、クールキャットさん。

スワードのリーゼントは実はヅラだったというオチ、ハゲネタは全世界共通なのか。みんなヅラが飛んでいくのがスキなのね。世界はヅラネタで一つになれるんだ! どうでもいいですかそうですか。

なんやかやと対立ばかりしているローズとスワードだが、実はスワードはローズにベタ惚れだったのだ。次回もクジラ島編ですが、そのへん続くのかしら。でもって、リバシはローズから光線銃を奪い取ることに成功し、破壊することでブタにされた人たちを元に戻そうとするのだが、それは頑丈で簡単には壊せない。その光線銃は神でもなければ壊せないというスワード。だが、ノマリオは光線銃を一撃で壊した! どうもノマリオは神と関係があると思わせる描写がちょいちょい出てきますな。

人間にもどったクジラ島の住民たちは、あからさまにジブリ系の人たちでした。

今回ツボだったセリフは、ローズの「化粧はすることより落とすことが需要なの」という、女性が100%共感するだろうおことば。なんでこの作品でそんなセリフが必要なのかワカランが、ほんとこの作品は力のいれどころがいちいち外してる。

脚本・演出・作画のクォリティが30年前の日本のアニメみたいだ。けど、その素朴さがなんかゆるくて個人的には好みなのだ。ほんの数年でこのくらいの作品を作れるようになったのだから、けっこう韓国アニメは侮れないと思う。

いっぽうで、もう少し演出はレベルアップする余地がある。カット割りがうまくない。2~3人の場面では、よほどのことがない限りセリフを発しているキャラは画面内に入れた方がいい。それと、たぶん作画のスキルが低いので、描けないカットは割らないようにしてると思える。レイアウトもすわりが悪いしイマジナリーラインもめちゃめちゃだし、作画監督不在みたいな仕上がり。タイミングも悪いし、編集のセンスもいまひとつだね。なんというか、「海外に作画を発注した日本の自主製作アニメ」くらいのクォリティだ。絵がうまいだけではアニメーターにはなれないというが、動画のセンスがまだまだ欠けているようだ。「チャングム」みたいに良い作品もあるのだから、スタジオによって技術にばらつきがあるのでしょう(チャングムは日本人の監修が入っています)。ヤシガニってこんな感じだったのだろうか(見たことないの)。