ピラミッド島を支配するパラパラ王とその王子。伝説の海賊「最強の拳」に苦い目に遭わされたパラパラ王子は、最強の拳の娘ハンナと、神官カリをさらって逃げた。ジンたちは最強の拳があやつる、砂漠を走る船に搭乗し、人質解放のため王の居城を目指す。

いっぽう囚われのカリとハンナ。実の父が憧れの大海賊・最強の拳だったことを知ったハンナだが、まだその事実を受け入れきれないのか? 普段知る臆病者の父の姿とのギャップに、父を信頼しきれない様子。

ジンたちは途中、「砂ドラゴン」と恐れられる砂嵐に遭遇するが、最強の拳の指示と、ブリストル探検隊のチームワークでこれを切り抜ける。ジンたちはこの経験で何かを学んだようだ。

カリの耳に、牢の通気口を通じて聞こえてきた、パラパラ王子の指令。彼が村中の水を取り立てていたのは、貴重な水を独占することで支配を強化するためだけではなかった。王子は集めた水を砂漠の周囲にまき、そして塩をまけと指示する。そんな無駄なことを何故、という部下の言葉にも、王子は耳を貸さない。カリは、王子は砂漠を再び海に変えようとしているのでは?と推測するが、どう考えても愚かなその作戦に、ハンナもカリも首をかしげるばかりだ。

かろうじて砂ドラゴンを突破したジンたちと最強の拳。だが船は傷つき、この先を進むには船員の頭数が少なすぎると判断。最強の拳は、近くの「サボテン村」を目指すと告げるが、副長であるサムは気乗りがしない。

10年前、かつて海だった地が砂漠となり、最強の拳は海賊をやめた。当時の船員たちは船を降ろされ、砂漠の真ん中に置き去りにされた。船員の一人、アッサムがもっていたサボテンの種を砂漠にまくことで、サボテンを中心にした産業が栄え、それを機に村ができ、もと船員たちはその地に根ざして生き続けてきた。アッサムは今でも最強の拳の行為は船員への裏切りだと、恨みを持ち続けていた。

サボテン村の住民たちは、かつての船長である最強の拳、そしてジンたちを受け入れた。わだかまりがあるとしても、村人たちはかつての偉大な船長である最強の拳への敬意は捨てていないと思えた。

だが、村人は最強の拳たちにふるまったサボテンジュースに、睡眠薬を入れていた。とらわれの身となった最強の拳、そしてジンたち。すべてはアッサムの差し金であり、パラパラ王子と結託し、彼らを引き渡すたくらみだったのだ。村人にとっては、やっと軌道に乗った今の生活が大事であり、サボテンの種を芽吹かせたアッサムこそが、いまや恩人なのだ。

ところが、そんなアッサムをもパラパラ王子は裏切る。ジンたちと引き替えに今日の水の取り立てはやめるが、明日からは2倍の水を出せと言う。そして村中の塩も。うちひしがれるサボテン村の住人たち。

横暴なパラパラ王子に、最強の拳は1枚の念書を差し出す。そこには、パラパラ王と最強の拳とでかわされた契約事項がしたためてあった。最強の拳が砂漠となったこの地を去り、海賊をやめるならば、船員たちの命は助けると。海が無くなり、海賊として生きるすべをなくした最強の拳海賊団が、生き延びるためにくだした苦渋の選択だった。そして最強の拳は、サボテンの種をアッサムに託した。すべての真実が明らかになり、がくぜんとするもと船員たち。

サボテン村を守ることはパラパラ王の意であり、それに背くことは王に逆らうことになると、最強の拳はパラパラ王子に告げる。だが、パラパラ王子は念書を破り捨てると、王など怖くはないとうそぶく。

カリとハンナは、「絶対逃がしてはならない人質の牢には、人一人が通れる通気口がある」の法則に則り(身も蓋もねえな)、脱出を試みる。だが途中で通気口の床が抜け、なんと王の居室に転落してしまう。万事休すかと思ったカリとハンナが顔を上げると、玉座にはなんと・・・

放送中不適切な発言をしたがために!(違います)

真実を知ったサボテン村の住人たちは、パラパラ王子と闘う決意をし、囚われのジンや最強の拳を解放した。最強の拳海賊団の再結成! その思わぬ反撃に、パラパラ王子は一目散に逃げていた。アッサムは誰よりも最強の拳を尊敬していたが故に、真意を語らず去っていた彼にとまどい、裏切りと決めつけることで、砂漠で生きのびる気力に変えていたのだろう。いまはもうそのわだかまりも消え、最強の拳と和解するのだった。

ただ一人置き去りにされた王子の側近は、それまで抱いていた王子への不信感をジンたちに告白し、王子の謎の行動をいさめるよう最強の拳に頼み込む。

パラパラ王はすでに行方が知れず、すべての横暴な政策は王子の一存だったのだ。なぜ王子は、一度は砂漠となった海を、ふたたび海に変えようとするのか? そしてパラパラ王の消息は?

以下、次回!

見せ場はいろいろあり、サボテン村のドラマもすごく盛り上がり、面白いエピソードでした。しかしまさか最強の拳編がこんなに続くとは思わなかった。次回も含めて2話ぐらいに収められればもっと良かったかなあ。