ブリストル探検隊をふりかえってみる #1
アニメ, ブリストル探検隊 4月 19th, 2011 at 21:01:24軽い気持ちで見始めたブリストル探検隊ですが、いがいとハマってきたので、第1話から見返してみました。
ジンの父、ポト・ホーキンス。豪放磊落で破天荒だけど、家族思いのよきパパ。このシーンはポトの助手だったジャッカルおじさんの回想で、ジンに冒険話を聞かせるシーン。ジャッカルおじさんは今は探検家をやめてブリストルの市場で働いており、第13話でも出てきます。
このときポトが手に入れた宝が、ジンのヘッドギア。ノマリオとのつながりを感じさせる挙動を示す謎のアイテムで、ちゃんとストーリー上で書かれてたんだな! 忘れてた。
ジンのおばあちゃん。行方不明の息子ポトに憧れるジンが、息子と同じ道を歩むことを危惧しています。なのでジャッカルおじさんがポトの冒険話をジンに聞かせることをきらいます。ジャッカルとしては父親が恋しいジンに、ポトがいかにすごい探検家だったかを教えたいのだけど、おばあちゃんにしてみれば帰ってこない息子は親不孝者。どうにかしてジンには探検家にならないでもらいたいご様子。気むずかしく口うるさいけど、やさしいおばあちゃんです。
丁寧な情景描写でブリストル市を描く
宮崎アニメっぽい自家用ロボ。のちに白ヒゲに壊されてしまいます。こういうロボットを大事にするジンのキャラ描写が、のちのノマリオとジンの関係性に生かされます。
第1話・第2話、すごくいいんですよ。あらためて見直してみると色々わかることもあるし、重要なキーワードもすでに出ていたことがわかります。何よりもキャラクターがすごく丁寧に描写されていて、それにより世界観も生きてくる。「伏線」を気にして作品を見る人も多いですが、伏線は手段であって目的ではない。作り手がストーリーを気にするあまり、「先にしておく言い訳」を伏線だと勘違いしているふしが昨今見受けられます。ストーリーではなくキャラクターをしっかり描くことで、視聴者が「こいつならここでどう考え、どう行動するか」を自然に想像し、結果的にそれが伏線になる、ブリ探はそれができているように見ました。
漁師がジンに海の様子をきくシーン。ジンが漁師以上に潮目や海流、海風を完璧に読める能力をさらりと表現してました。あなどりがたし、ブリ探。宝物を探しに行くジンに、「海の宝は魚なのに」という漁師の名言、すばらしい。
密航するシルバとプルケがジンと初対面。キャラの出し方がうまいな。
出だしから飛ばすプルケ。そういや食い意地キャラでした。
オープニングに見るブリストル島の外観。島自体が巨大な船のよう。そして地下に謎の動力炉がある・・・?
艦橋のようなブリストル市庁舎
ジンが鑑定士に見せた古い本、それは伝説の大海賊プリント船長の航海日誌。シルバが持っていたものを白ヒゲが盗み、彼らが落としたところをジンが拾った。このあと航海日誌をオークションにかけることになり、大騒動に。
記者見習いリナたん。ジンの幼なじみ。
白ヒゲから航海日誌を買い取ろうとしていた謎の男。今思えば、ヘルメスの部下だった。
謎の男のお札攻撃。電撃を発する。こういうところが東洋っぽい?
ヘルメスとその右腕、サチ。いろいろ暗躍します。サチの発音からして語源はSearchかな?
ここまでが第1話。キャラ紹介とブリストルの世界観、そしてジンが航海日誌を拾って、いよいよ明日はオークション、というところで終わり。最初は正直、見せ場があまりなく、アクションもシルバがちょこっと挨拶代わりに、といった程度で、これが第1話で大丈夫か、ヒキになるのかいな?と思ってました。実際、第2話まで含めてプロローグなのでしょうが、あらためて見ると第1話だけ見ても十分面白い、次も見たいなと思わせるのです。
宮崎駿さんの回顧録では、「アルプスの少女ハイジ」第1話が、当時としてもあまりに地味で、試写を見たテレビ局プロデューサーの反応はかんばしくなかったそうです。何も事件は起こらず、たんたんとキャラクターと世界観が示されるのみ。ところが、オンエアしてみると子供たちの食いつきがすごく、とても評判が良かったとのこと。まさに宮崎さんのもくろみどおりで、やたらドンパチばかりのハデハデ映像でなくても、ちゃんと視聴者は評価してくれると。その話を思い出させるごとくブリストルの第1話はおいらにとって魅力的で、目からウロコの傑作でした。第1話ってこれでいいんだ!というね。