天上の宝を5つ集めたブリストル探検隊。残る一つを求めて航海はつづく。

今回は前回までのようなおもしろさてんこ盛り、というわけではないんですが、いよいよクライマックスが近いということで、キャラクターを掘り下げたりストーリーを収束に向けたりと、見所はありありでしたよん。

ブリ探とともに航海を続けていた白ヒゲ海賊団。バルカン博士も無事でした。

リバシたちは白ヒゲの扱いにお困りのようす

まあそれはそれとしてだ、プリント船長の航海日誌は最後の目的地を示す。6つめのゴールドアイランド、それは「氷の島」

最後の航海を前にしたプリント船長が残した言葉、それは苦しい航海を共にした仲間たちへの感謝の言葉だった。ブリストル探検隊もまたその言葉を噛みしめていることだろう

だが目の前の現実は過酷だった。魔法の言葉「そう言えば聞いたことがある」(直接そうは言ってませんが)、それに続くは都合の良い説明セリフ。ですがこういうのも無いと展開がモタモタしますから、しょうがないですな。使いこなしがまずいとつまらなくなりますが。

氷の島を取り囲む黒い海域は、「ブラックゾーン」と呼ばれ、黒いガスとタールのような海で行く手を阻む。

それを聞いた白ヒゲはちゃっかりロイヤルゴールド号を下船

プルケは1人沈む気持ちをかかえていた。最後の目的地はいよいよ目前、だが航海はいつでも怖いという。そして冒険を通じて様々なものを得てきたブリ探メンバーに比べて、自分は何も得ていないと

だがここで(ふだん便利屋にすぎない影薄キャラの)執事がいいこと言いました(さかえさんは言い過ぎました)。仲間を得たじゃないか、と。いつも孤独だったプルケは感動したのでした

これ、ただの「とってつけたイイ話」ではなく、後で効いてきます

チャイ海賊団の頭領はやっぱりチャイ様でした。あくまでも天上の扉死守にこだわります。ちなみに氷原に囲まれたチャイ様の居城は、どうやら氷の島に?

いっぽうブリ探はブラックゾーンに進入。タールの海は船の足をひっぱり、あたりは闇に閉ざされる

白ヒゲは手近な船を襲撃して乗っ取ろうと、珍しく海賊らしい振る舞いに出るが・・・

しゃきーん

それはチャイ海賊団の船だった。汚名返上に息巻くグリンティさん

ブラックゾーンには島のように無数の石像が突き出していた。と思いきやそれは氷山だった

ブリ探をおそう黒ガス。ガスネタ好きだな

案の定、ガスを吸ったみなさんはおかしくなってらっしゃる。ブラックゾーンの黒ガスは、精神を錯乱させ、恐怖心をあおり凶暴性を引き出す

そんななか、ジンだけはガスを吸っても何ともない。だが凶暴性を増したブリ探のみなさんは、前回のスパイ疑惑で疑心暗鬼になり、ジンとノマリオを攻撃してしまう。なんとか皆を説得しようとしたジンだが、シルバのロケットパンチで海に落下!

ジンのポケットからヘルメスの紋章がちゃりーん

沈んでいくジンとノマリオ

そんなジンの前に現れたのは、ちっちゃな黄金クジラの子供。とつぜん何ですかとお思いの貴兄よく聞けい。レビューでは取り上げていませんが・・・

なんとこれ、第1話のエピソードのひとつなのだ! ブリストルの海岸で宝探しに出かけたジンは、浅瀬に迷い込んだ黄金クジラの子供を救ったのだ

ガスにおかされたブリ探たちは、恐怖心からか、自分自身の幻影と闘っていた。それは自分の中の闇、かくしていた弱さとの戦いなのだ。ブラックゾーンとは、心の闇を示す言葉なのか。

リバシはひ弱さにコンプレックスを持つ自分自身と闘っていた。プルケはいつも孤独だった自分と。

そしてカリは、ブリストル滅亡の未来を見てしまった自分と。それがカリのせいというわけではないのだけれど、民衆を安心させるためウソの予言をしてしまったことを悔いているのか?

そのとき、ブラックゾーンの海が黄金色に輝く!

巨大な黄金クジラが海面を跳ねる! その輝きはガスにおかされたブリ探たちの体を浄化した

ジンがかつて救った黄金クジラの子供が、父親を連れてきてくれたのだ。ジンはなぜガスを吸っても平気だったのか? カリは、ジンの純粋な心が自らを浄化していたと言う。たしかにジンに心の暗黒面はなさそう

危機を脱し、ブラックゾーンを抜けたロイヤルゴールド号。リバシはヘルメスの紋章に、追跡装置が内蔵されていたことを知る

やはりカリはその事を知っていたのか? スパイとはカリのことなのか?

ガスのせいとはいえ、ジンを疑ったことを謝罪するプルケ。素直じゃありませんが、ジンに握手を求めます。こういうところがたまらんのですよ白飯おかわり

そして彼らの目前に、最後の目的地なのか?氷の島があらわれる

身を引き締めるジン

一足先に氷の島に到着していたグリンティの海賊船。氷の島防衛のために呼び戻されていたのだ。白ヒゲは巨大なタンクを発見し、ブラックゾーンを作っていたのはチャイ海賊団だったと知る

今回はプルケの影の部分に切り込んでみたり、父親との関係性も含めてコンプレックスを抱えていたリバシの内面をさらりと描いてみせたりと、キャラクターの掘り下げを、しつこくならない程度に表現していて好感が持てました。プルケのキャラ背景については一切描かれていないんだけど、それで十分。キャラ設定に理由付けをしすぎるのは良くないからねえ。

いよいよクライマックスにさしかかったブリストル探検隊。最後のゴールドアイランド、天上の宝、天上の扉。そしてヘルメス、カリ、ノマリオの謎は明らかになるのか? ブリストル島の地下に眠る巨大な動力装置はなんなのか? ブリストルの未来はどうなる?