いや、特に毒を吐きたいわけじゃないんですが。

どうも宮崎アニメばかりがもてはやされる状況だと、黒い冗談の一つも言いたくなって。

おいら的には、宮崎アニメというだけで興行成績的には毎度申し分のない結果を出しているけれども、そろそろキャラクタービジネス的な展開がトトロ以来欲しかったんじゃないかという意地悪な見方もしてしまう。

実際にはジブリの鈴木敏夫社長が、このところの宮崎アニメ路線が決して「子供向け」ではなかったことで、そろそろこういうのも作った方が、と考えたかららしいです。

おいら個人としては、実は宮崎アニメって本質は萌えアニメじゃないか、なぜならいつも年端もいかないムスメっこが主人公だったり(例外に見えるハウルはもともと細田守監督がやるはずだった企画。紅豚ですら、あの整備士の女の子の存在理由がよくわからん)とか、そもそも「萌え」のルーツはコナンのラナやクラリスではないのか?とか思い続けてきたわけですよ。ちなみに批判的に言っているわけではないです。

そもそも宮崎監督に好きに作らせると、趣味性全開になってしまうので、鈴木さんがそこをバランス取っていく作業が重要らしいです。

鈴木さんが関係しているかどうかは知りませんが、「カリオストロ」も、クラリスという魔が棲む宮崎ワールドに迷い込んだルパンの苦闘という見方しかできない。それはおいら個人の身勝手なので、ファンの方には大変申し訳ないのだけれど。ラストでルパンがクラリスを抱きしめることをためらったのが評価できる点で、ルパンはルパンの世界に帰らなきゃならないからああなったんだと。

で、何が崖っぷちなのか、ジブリって安泰じゃないの?とお思いの貴兄良く聞けい。やはり後進が育っていない、いや、いない訳じゃないだろうけど表に出てこないのが気になるのですよ。ジブリって結局、宮崎さんだけじゃないですか?とね。高畑勲さんはそんなに多作じゃないし新作の話もトンと聞かない、かといって若手はおろか中堅どころもビデオくらいでしか活躍の場がない。例の自転車アニメは興行的にどうだったのかとか、細田ハウルもなんで企画がポシャったのか。

それに加えて気になるのが、負け惜しみに聞こえてもいいけど、宮崎監督一人勝ちの状況って、アニメ業界にとってどうなのか? 宮崎アニメ、いやジブリが興行的に成功することで、業界にどんな好影響が残るのかがもうひとつわからない、というところもね。少し前に「良いスタッフは全部ジブリがもってっちゃう」といううらみごとも活字で読んだおぼえがありますが、事実ならそれって実際どうなんだろう。

こういうモヤモヤを感じたのは、そうさなあ、ゲド戦記からかなあ。宮崎監督がやるならと原作者がOKだしたら、違う宮崎監督だったと(以下、さすがに黙った方が良いでしょうか)