テレビ東京の「スター姫さがし太郎」を見ているが、この番組から2011年4月にL.A.F.U.という男性ユニットがデビューした。吉本興業としては、これまでなかなかうまくいかないアイドル路線にてこ入れしようと、番組のオーディションを経て結成した16人グループである。

同番組が同じく力を入れているNMB48同様、ステージを主とした、歌、ダンス、そしてコントの集団だが、番組自体、オーデョションからずっと追っかけているドキュメンタリーでもある。4月デビュー以来、定期的にステージを展開していた。

そのL.A.F.U.だが、番組上でもセンセーショナルに取り上げられていたのが、6月の全公演非開催だった。スタッフいわく、売りの歌もダンスもコントも、とても人様からお金を払ってもらって見せるレベルにない、再トレーニングが必要、ということだった。メンバーたちのショックや葛藤、そして巻き返しのドラマが見せ所だったのだろうが、おいらは強く違和感を抱いた。

スタッフはなぜそれをデビュー前に気づかなかったのか。

できると思っていたが、ふたを開けてみればまだまだレベルが達してなかった、ということだろうか。いやいやいや、ほぼシロウトにも近いメンツを集めてオーディションして、ろくすっぽ準備期間も設けずデビューさせておいて、それはない。まず「人様からお金を払ってもらって見せるレベル」にあるかどうかを、人様の前に出す前にジャッジしておく必要があったのではないか。

K-POPが日本のチャートを賑わせて久しいが、韓国のアイドルはデビュー前のトレーニングがハンパ無く厳しいという。かつてK-POPのスターグループ、神話(シンファ)の弟分的グループを、オーディションで結成してデビューさせる「バトル神話」なるドキュメンタリー番組があった。それは番組自体が4ヶ月の長期にわたるもので、なんかすごい応募総数(正確には知らん)の中、なんと決勝進出者が150人、そこから6ヶ月かけて最終の6人を選ぶという気の長さ。しかも優勝者6人が決定した後、1年間のトレーニングを経て、「Battle」の名でようやくデビューしたというのだから。

とはいえ、このプロジェクト自体が韓国コカコーラのバックアップによる大資本によるもので、実際、落選者の中からも今のK-POPスターが何人も輩出している、という規模の大きさだったから、例を見ない特別なプロジェクトだったと言っても良いだろう。にしてもだ、K-POPアイドルはそこまではないにしても、デビュー前にかなり時間もお金もかけてトレーニングしているという。少女時代というグループ名自体は、おいらは4年くらい前から知っていた。日本の促成栽培アイドルとは雲泥の差であることは否定できない。

L.A.F.U.のスタッフが「お前らはまだ人前に出せるレベルじゃない」とかエラソーにのたまっていたときは、おいら「ハア??」とか思ったものだ。それはスタッフのレベルの低さでもある。いや、日本の芸能界自体がそんな程度と言えるのかも知れない。

ただ、けっこう我が強い傾向にある韓国人気質、東方神起の例を出すまでもなく、そこまで苦労してデビューしたグループでも、解散が日常茶飯事だというのも、皮肉な話である。

肝心のL.A.F.U.だが、7月からは公演開催されることになり、ダメスタッフのもとおのおのががんばって欲しいと思う。