戦国鍋つながりでもうひとつ、「ウルトラゾーン」は戦国鍋とスタッフ・キャストがかなりかぶる一本。

戦国鍋TVが「現代のこんな場所・こんなシチュエーションに戦国武将が割り込んできたら」という「もしもコント」の延長な訳ですが、「ウルトラゾーン」はこの戦国武将がウルトラ怪獣に置き換わっただけと言ってもいいもの。マグマ星人とババルウ星人のカットハウスなんざ出オチで笑えますよ。

で、今回の#6は今までと一風変わった、文字どおり異色作。

以下、ネタバレ上等でレッツラゴー!

タイトルは「THE LOVE」。ザラブ星人登場で「ダジャレ?」ってなもんだが、内容はまったくウルトラ風味のドラマだった。

丘みつ子さん演じる初老のご婦人・池谷ミツ子の前に現れたザラブ星人。ミツ子はケガをしていたザラブ星人を介抱し、そのまま彼をかくまうことに。ミツ子は夫(関 智一さん!)を若くして亡くしており、山村に一人暮らしだった。油絵の心得のあるミツ子のモデルを務め、畑を耕すザラブ星人の穏やかな日々。お花で作った輪を頭にかぶせてもらうザラブ星人。夫の墓参りに同行したときは、ザラブ星人が墓石に小さな花輪をかぶせる。細かい演出がイイ。

クワを肩にかつごうとして、肩がないものだからズリ落ちるザラブ星人の細かいギャグなどまじえつつ。

ミツ子の人柄に惹かれたザラブ星人は、彼女を喜ばそうと、みずからの変身能力で夫の若い頃の姿に。だが、ミツ子は激しく動揺し、ザラブ星人を拒絶する。彼女は何故怒ったのか? 地球人の心理が理解できないザラブ星人。

ミツ子の体は病魔にむしばまれていた。自宅で倒れていたミツ子。そのとき、夫の遺影のそばにあったキャンバス、ずっと隠されていたその絵の覆いが落ちた。そこに描かれていたのは、夫の姿。そう、ミツ子の夫とは・・・

人はひとりひとり違うもの。愛する人と姿形が同じであれば、同じ人であるというわけではない。あの人と、ここにいるあなたは違う・・・「○○星人」とひとくくりにされた表現が多いウルトラシリーズで、逆手を着いたみごとな展開。

静かに息を引き取るミツ子。その頭には、見舞いの花で作った花輪が。ザラブ星人はおだやかな山村から姿を消した。

ミツ子が描いた夫の絵、そのタイトルは「THE LOVE 我が夫」。夫はザラブ星人だったのだ。