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ドナルド・フェイゲンの6年半ぶりの新作、だそうだ。フェイゲンにしては早いペースで新作出してきたな、と思ったら実は6年半ぶりだったという・・・

老いて盛ん、という言葉ではくくれないほど、若々しく、だが若造には出せない熟成した味わいに満ちている。矛盾してるかも知れないが、ホントに元気だなーと思わせるのだ。

最新鋭の音なのにどこかノスタルジーを感じさせるレトロモダンな風合いもあったこれまでの作品に比べると、いかにもフェイゲン、いかにもスティーリー・ダンという音でありながらも、ずっと現代的になった気がする。フェイゲンというより周囲が変わったんだろうか。たぶん自分より若いミュージシャンやエンジニアと制作する機会が増えたはずだが、これまでは、それがフェイゲンやスティーリー・ダンに影響を受けたりリスペクトしてる連中ばかりで、フェイゲンにスティーリー・ダンのコスプレをさせるような自己模倣に陥りがちになってたところを、時代が二回りほどしてしまって、いまさら「ドナルド・フェイゲンのアイコンの再現」なんてしなくなったのかも知れない。

そもそも唯我独尊というか、むしろ独善的なフェイゲンのことだから、周囲がどうあろうと自分が納得することしか押しつけないだろうけど、「あの名作・ナイトフライの再現を」という要求と戦う必要もなくなった分、身が軽くなったようにも見受けられる。そんな感じ。

タイトルに書いたように、なんとも淫猥な世界観がいかにもフェイゲンだ。日本代表、クレイジー・ケン・バンドの「東南アジアの娼館ツアー的な下世話さ」に比べたら、こちらは高級娼婦を相手にしてるようなセレブリティ感はあるが、共通するのは「闇に隠れて大人のアレコレ」的な淫靡さ。フェイゲンには東京が失った大人の遊びの世界を、今もニューヨークで謳歌してる感がある。

傑作認定