台風並みの爆弾低気圧が来るとか何とかのさなか、舞台「趣味の部屋」を見てきました。

syumi-no-heya

パルコ劇場って初めてかなあ。最後列でしたけど見やすくて良かった。なかなかチケット取れなかったのでぜいたくは言えねえな。

脚本:古沢良太さん、演出:行定勲さんという映画スタッフのような顔ぶれ。いつもはキャストで演劇を選ぶわたくしですが、今回は完全に脚本・演出で選びました。とはいえ中井貴一さんの演劇は初めてだから楽しみだったし、白井晃さん、戸次重幸さんという大好きな俳優さんも出てるし、超楽しみで見に行ったのでした。

いや、これは良かった!

「キサラギ」の古沢さんですから、一ひねりも二ひねりもあるんだろうとは思ってましたが、二転三転四転したあとに五転めがあった!とでもいうか。

5人の男性が家族にも邪魔されずに、自分の趣味に没頭するためだけの「趣味の部屋」、そこで巻き起こる、5人のうちのひとりの失踪事件。互いの疑心暗鬼がやがてかつて事故で死んだとされるある女性が実は殺されていたという疑惑を呼び・・・

それぞれが犯人では無いかという疑いあいを経て、実は事件なんて無かったんだ、というほっこり暖かいラストに向かうのかと思いきや、唐突に提示されるある現実。やはり犯人は・・・

と見せかけて!

・・・といった具合に、どんどん展開してゆくサスペンスコメディ。いくつものちゃぶ台返しを経て、ラストに大風呂敷ならぬ大絨毯をひっくり返して終わり、かとおもいきや絨毯の端っこが小さく折り曲げてあって、そこで軽くつまずいて舌打ち、みたいな。

作家陣が映像畑の人だから、という先入観はまったく不要。しっかりと舞台演劇になっておりました。これを映像でやる方がむしろ難しい、一幕ワンシーンで暗転も無しというシチュエーションで、だれることも無くハイテンション&ハイテンポで突っ走る。

欲を言えば、てんこ盛り過ぎて、見る側が息継ぎも出来ないという閉塞感はあったかも。なにかしら一息つける演出があれば、逆にもっとテンポよく運べたかな。やたら濃いガンダムネタも気になった。観客にガンダム知識が必要?とまでは言わないがちょっと濃すぎ。古沢さんか行定さんのどちらかがガンダムマニア?

ガンダムオタク役は白井晃さん(日本の演劇界が誇るマエストロ)だったけど、実は共演の戸次重幸さんの方がリアルガンダムオタクなのだ。舞台裏では戸次さんの方が盛り上がってたりして。そういえばパルコミュージアムで、俳優でありガンプラマイスターであり戸次さんの友達でもある片桐仁さんが個展やってたのは偶然か。